トーキョー・バーチャル・リアリティ
TOKYO VIRTUAL REALITY
- 展示期間
- 2014年9月19日(金)~10月9日(木)
- 展示時間
- 11:00~19:00
ギャラリートーク開催のお知らせ
写真家 染瀬直人氏によるギャラリートークを開催します。ゲストの方が登場される回もございますので、スケジュールをご確認の上、お越しください。
- 開催日時
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- 9月19日(金) 17:00~17:45 「作品展トーキョー・バーチャル・リアリティーを語る」
- 出演
- 染瀬直人氏
- 9月24日(水) 17:45~18:30 「ギガピクセルイメージの力」
- 出演
- 古橋大地氏(東京大学空間情報科学研究センター 特任研究員)× 染瀬直人氏
- 9月27日(土) 15:00~15:45 「デジタル写真の可能性と未来」
- 出演
- 早川廣行氏(電塾塾長)× 染瀬直人氏
- 10月1日(水) 15:00~15:45 「パノラマの歴史を考える」
- 出演
- 三井圭司氏(写真史家 明治学院大学講師)× 染瀬直人氏
- 10月5日(日) 15:00~15:45 「現代写真、デジタルカメラ、インターネット」
- 出演
- 速水惟広氏(『PHaT PHOTO』ゼネラルマネージャー)× 染瀬直人氏
- 9月19日(金) 17:00~17:45 「作品展トーキョー・バーチャル・リアリティーを語る」
- 開催場所
- ソニーイメージングギャラリー 銀座(ソニービル6階)
入場無料、事前予約不要です。
都市自体が濃密な仮想空間ともいえる東京。
今回の作品展『トーキョー・バーチャル・リアリティ TOKYO VIRTUAL REALITY』では「サブカルチャー」、「アート」、「ファッション」、「Kawaii(カワイイ)」、「オタク文化」といった事象を通じ、東京の現実と非現実をデジタル写真ならではの可能性を追求しながら提示していきます。
デジタルカメラの登場から30年以上経った今日、写真を取り巻く環境は大きく変化し、表現の技法や鑑賞のスタイルも新たなフェーズを迎えています。画像処理ソフトによる加工はより高度なものになり、スチルカメラにも動画機能は当然のごとく搭載され、人々はスマートフォンやタブレットでも写真を閲覧するようになりました。その変革を受け止めた染瀬直人氏の作品世界は新表現を積極的に用い、その領域は写真と動画の狭間に及び、東京の現実と非現実を描き出します。写真から拡張した新表現で展開された世界は、時に人間の視覚を超えた領域とも言えるでしょう。全方位すべてを捉えた「360°パノラマVR」や「360°ビデオ」、ズームアップすると望遠鏡やルーペのように鮮明な細部が現れる「ギガピクセルイメージ」、静止画の一部が動く印象的な写真表現「シネマグラフ」、静止画の集合体によって時間を凝縮してみせる「タイムラプス」など新時代の表現方法を駆使し、皆様に楽しんでいただける作品展となっています。
時間軸の概念が取り入れられたり、空間の密度や広がりを体感できる、新しい魅力の作品群を高精細なソニー4Kブラビアでお楽しみください。
今回の作品展で用いられる表現手法
360°パノラマVR
天地左右360°の全方向を球体内部から眺めるような感覚で鑑賞できる表現技法。画像をインタラクティブに回転させたり、ズームすることも可能で、あたかもその場にいるような疑似体験が得られるので、空間を見せるのに相応しい。一般に、魚眼レンズで水平・天地と複数の画像を撮影し、ソフトウェアでステッチ、オーサリングする方法と、多眼カメラや半球面型ミラーを用いてシングル撮影をし、パノラマに展開する方法などがある。
ギガピクセルイメージ
ロボット雲台を使用して、望遠レンズで分割撮影した数百枚~数千枚にもおよぶ画像を、アプリケーションで繋ぎ合わせ1枚の超高画素の写真にする技法。ズームアップを行ってもマルチレゾリューション構造で必要な解像度のレイヤーを読み込ながら表示するため、細部のディティールをスムーズに鮮明に表現できる。ランドスケープはもちろん、絵画や壁画など文化財の複写においても有用。全体と細部を一枚の写真に共存させる手法は、世界的に高い評価を得ているドイツの写真家アンドレアス・グルスキーの作品にも通じる。
360°ビデオ
360°全方位を網羅して撮影された360°の動画。完全に360°達成するには複数のカメラを保持する「rig」を使用して、同期させてマルチ撮影を行う。専用のプレイヤーを介すと、インタラクティブに方向や画角を動かすことができる。
タイムラプス
「タイムラプス」は微速度撮影とも呼ばれる撮影方法で、直訳すると「時間の経過」という意味。数分の1秒~数十秒に1シャッターのインターバル撮影を行い、動画化したもの。撮影は数時間、場合によっては何日にも及ぶことがある。例えば、青空を流れる雲、花の開花、刻一刻と色が変化する夜明けや夕暮れの模様をダイナミックに表現できる。
シネマグラフ
全体は静止画だが、画像の一部分だけが動いている表現。例えば、身につけたアクセサリーだけが揺れていたり、果物の水滴が滴り落ちたり、沸騰したケトルの口から湯気が立ち上がるなど、写真の一部が微妙に無限ループして動いている "写真以上、動画未満"というユニークな表現。
撮影の様子(例)
360°パノラマVR
360°全周を見渡した時の見晴らしを考え、視点を上にあげるために使用した高さ6mのポール。360°全周を撮影するために、魚眼レンズをつけた一台のカメラをパノラマ用の雲台を用いてノーパララックスポイント(ノーダルポイント)、つまりレンズの交点で回転させながら水平、また天地を撮影していく。
ギガピクセルイメージ
専用のロボット雲台にカメラを載せて撮影を行う。視差を小さくするために望遠レンズを使用し、ロボット雲台が自動制御で少しずつ位置をずらしながら数百~数千枚の分割撮影を行う。
360°ビデオ
360°を一度に撮影するために3台の小型ビデオカメラを用意。3台同時撮影を行い、撮影後に映像のつなぎ合わせを行う。写真・右は3台のビデオカメラで同時に撮影し、画角を確認するために使用しているライブビューリモコン。
タイムラプス
モーションコントロールを取り入れたタイムラプス撮影を行っている様子。自動回転雲台やスライダーを使用することで、撮影中に視点を移動することができる。