報道資料
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2021年4月22日
ソニー株式会社
ソニーマーケティング株式会社
ソニーは、リモートや分散映像制作、ワークフローの効率化など映像制作現場で高まるニーズに対応する、IPやクラウド技術を活用したソリューションおよびイメージング商品群を発売します。
人が集まることや移動することへの制限が余儀なくされている社会状況の中で、映像制作業界においても、働き方や制作手法の在り方が大きく変わりつつあります。ソニーは、場所にとらわれず(リモート)、同時(リアルタイム)に、同じ現実感(リアリティ)でコンテンツを共有する「3Rテクノロジー」で、人と人を繋ぎ、新たな映像制作環境を支えるソリューションを提供するとともに、映像を通じた感動を届けることに貢献していきます。
ソニーは、映像だけでなく、音声やメタデータ、同期・制御などの信号をリアルタイムにIP伝送するIP Liveプロダクションシステムを推進しています。この度、さらなる高画質のIP伝送や、大規模なシステム管理に対応し、放送設備の効率的な活用をサポートする機器の拡充および、アップデートを行います。
ソニーのIP Liveプロダクションシステムは世界各国で120以上の中継車・スタジオシステムなどで採用されています。国内では、2021年夏からRSK山陽放送株式会社の新社屋において、SMPTE ST 2110を全面的に採用した映像制作システムが稼働を開始予定です。※1
既存のシステムカメラと組み合わせて使用することで、映像や音声信号などのIP伝送を行い、リモートプロダクションを機動的に実現する、ライブ映像制作用IP対応機器です。システムカメラ『HDC-5500』と組み合わせることで、HDに加えて4K映像のSMPTE ST 2110規格に対応したIP伝送が可能です。さらにオプションのHFRソフトウェア『HZC-HFR50』を使用することで、IP伝送時にHDで最大6倍速のハイフレームレート撮影が行えます。両機とも設置性に配慮した小型設計で、最小限の機材と人員で、ライブ中継などの映像制作を実現します。
8K3板式カメラシステム『UHC-8300』のカメラコントロールユニットに、2021年10月発売予定のインターフェースボード『UKCU-8001』を追加することで、IP伝送技術の国際的な標準規格として普及が進むSMPTE ST 2110方式に対応した8KシステムのIP運用が可能になります。さらに、同時提供するSNMPエージェントソフトウェアの有償ライセンス『UZCU-SNMP80』と組み合わせることで、IP運用状況の監視や制御をリモートで行えます。
ソニーのIP Liveプロダクションシステムと、Nevion社のSDNコントローラー「VideoIPath」の接続性が向上し、より大規模なIPシステムの構築や効率的な運用が可能になります。具体的には、2021年5月提供予定のファームウェアアップデート(Ver3.0)によって、映像や音声信号のルーティング制御を行う「IP Liveシステムマネージャー」が「VideoIPath」との連携を強化します。またSMPTE ST 2110方式に対応し、SDIとIP信号の相互変換を行うコンバーターボード『NXLK-IP50Y』『NXLK-IP51Y』が、2021年9月予定のアップデート(Ver3.0)でNMOS(Networked Media Open Specifications)に対応し、「VideoIPath」から制御可能になります。ソニーのIP LiveプロダクションシステムにNevion社の「VideoIPath」を組み込むことにより、ネットワーク構成を柔軟に構築できるSDNの特性を生かして、スイッチ構成を最適化してコストの削減を図るとともに、障害時にも強いシステムが構築可能です。
リモートカメラ 『BRC-X400』、『SRG-X400』、『SRG-X120』が、2021年6月予定のファームウェアアップデート(Ver3.0)により、低遅延で高品質な映像伝送を実現するSRTプロトコルをサポートします。さらに、独自のAdaptive Rate Control(アダプティブ・レート・コントロール)機能により、ネットワーク環境や帯域に合わせてより安定した接続を低遅延で実現します。また、RTMP・RTMPS配信機能を使用してシンプルな構成で手軽にライブ配信が可能です。
リモートや分散映像制作ニーズの高まりに、クラウドを活用したより高い柔軟性と拡張性で対応するソフトウェアベースの映像制作・管理ソリューションを拡充します。さらにクラウドとカメラの接続および連携を強化したソリューションを開発中です。またAI技術の活用により、より効率的で高品質な番組制作を支援していきます。
メディア業界の制作ワークフロー自動化やコンテンツ管理のニーズに対応する、クラウド上でスケーラブルに構築可能なシステムソリューションです。複数の異なるマイクロサービスをお客さまの用途や環境に応じて組み合わせることで、様々なシステムを構成できます。各マイクロサービスは独立して機能するため、互いに干渉することなく、追加や削除、拡張することが可能です。
4Kカメラで撮影した映像から特定の出演者の顔を認識し、骨格推定、人物認識、最適画角推定などのソニーのAI技術を活用することで、任意の画角のHD映像を自動的に切り出すシステムです。ひとつの4K映像から複数の切り出し映像を同時に作成することが可能です。4Kカメラのカメラワークが不要となるため、高い専門性が必要となるカメラマンの業務をAI技術で補い、より効率的な番組制作を支援するとともに、予算や人員の都合で対応が難しかった番組においても制作の自由度が広がります。
ソニーは多様化する映像制作者のニーズに応え、さらにその表現力や利便性を向上させる周辺機器や新機能の拡充を図ります。
2021年内の発売に向けて、グローバルシャッター機能搭載のスーパー35mm単板CMOSイメージセンサーを使用したHDCシリーズの新4Kカメラシステムを開発中です。システムカメラの使い勝手を継承しながら、音楽ライブやドラマ制作に対応する23.98P/29.97P撮影に加えて、被写界深度の浅いシネマライクな表現ができるカメラになります。またHDR(HLG・S-Log3)とSDRの同時出力が可能で、ソニーのSR Live for HDRワークフローに対応します。
4K HDR対応ピクチャーモニターとして最大サイズとなる『PVM-X3200』(32型)を発売します。全白時1,000cd/m2の高輝度を実現し、マスターモニターと同一色域の液晶パネルを用いることで、映像制作ワークフローにおける一貫した色再現が可能です。さらにピクチャーモニター『PVM-X2400』『PVM-X1800』に対応した有償のライセンス『PVML-HSX1』(2021年6月発売予定)使用時には、本体上でHDR (HLG/S-Log3/PQ)からSDRへの変換や4KからHDへの解像度の変換、プログレッシブからインターレースへの信号の変換にも対応します。
ソニーはHDRコンテンツの普及に伴い、HDRとSDRの同時制作を効率的に実現するライブ制作ワークフロー「SR Live for HDRワークフロー」を推進しています。2020年にはHDR/SDRに関連する設定データ群を「SR Live Metadata(エスアールライブメタデータ)」として、HDCシリーズのカメラシステムのSDI信号上に出力し対応コンバーターで読み込むことで、設定ミスの防止および運用の簡略化が可能になりました。さらにSR Live Metadataの対応機器を拡充し、HDRの映像制作を支援する機能拡張を多様な機器で進めています。
XDCAMショルダーカムコーダー『PXW-Z750』『PXW-Z450』『PXW-X400』が、2021年5月予定のファームウェアアップデートにより、撮影時のSR Live Metadata情報を、より詳細に収録ファイルに記録できるようになります。また、4K HDR対応ピクチャーモニターのPVMシリーズ3機種が、2021年6月発売予定の有償ライセンス『PVML-HSX1』使用時に、入力される映像のSR Live Metadataに基づいて自動変換した表示に対応します。両アップデートにより、ポストプロダクションにおける編集の効率化や利便性が向上します。
SR Live Metadataをファイル化して、HDRプロダクションコンバーターユニット『HDRC-4000』間で共有できる「SR Live MetaFile(エスアールライブメタファイル)」機能を2021年4月に追加します。SR Live MetadataがSDI信号を介して伝送できない場合などに、USBメモリやメール添付による伝送が可能になります。
『HDRC-4000』を使用した時と同等の高画質でHDR/SDR変換を実現する、SR Live 3D LUTファイルの提供を2021年5月に開始します。このファイルをインポートすることで、3D LUTに対応する他社のコンバーターもSR Live for HDR ワークフローの中で使用できるようになるため、より柔軟にシステムが構築できます。
2021年6月提供予定のファームウェアアップデート(Ver3.6)と有償オプションライセンスにより、スイッチャーの対応機種※5が12G-SDI入力基板でのHDR変換に対応し、HDRのワークフローがより充実します。さらにインターグループコネクション機能により、複数のスイッチャーコントロールステーションの接続が可能となり、マルチスタジオでの制作やリモートプロダクションの際、拡張可能で柔軟なシステムを実現します。