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報道資料
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2022年5月30日

スマートフォンの各種センサーとAIを活用した独自の測位技術で人の行動データを取得・分析
企業のDXを支援する屋内行動分析プラットフォーム「NaviCX(ナビックス)」提供開始

ホームセンター「カインズ」が導入に向けて実証実験を実施中

屋内行動分析プラットフォーム「NaviCX」の活用イメージ 屋内行動分析プラットフォーム「NaviCX」の活用イメージ

ソニーは、新たな顧客体験(CX)の創出や企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する、屋内行動分析プラットフォーム「NaviCX(ナビックス)」の提供を開始します。スマートフォンの各種センサーとAIを活用した独自の測位技術で、店舗や施設内の客、従業員の行動データをリアルタイムに取得・分析※1します。

サービス名 提供開始日 サービス利用費(税込)
屋内行動分析プラットフォーム「NaviCX」 7月1日 オープン価格

「NaviCX」は、AIを活用したPDR(Pedestrian Dead Reckoning = 歩行者自律航法)技術※2をベースに、近距離無線通信のBluetooth® Low Energy技術を用いた発信機であるビーコンや地磁気※3の情報を独自の測位アルゴリズムで組み合わせて、人の位置だけでなく向きの情報まで高精度に取得できます。ソニーの提供するSDK(Software Development Kit = ソフトウェア開発キット)を、事業者のスマートフォン用アプリケーションに組み込むことで、店舗や施設内にいるスマートフォン所持者の行動データを取得※1し、滞在時間や動線、経路などの詳細な分析結果を提供するほか、位置情報に基づいてプッシュ通知を送る※4こともできます。
「NaviCX」は、大型店舗内(ホームセンター、ドラッグストア、スーパーマーケットなど)や体験型施設内(水族館やイベント会場など)を含む、GPS等での測位が難しい屋内での活用を見込んでいます。
大型店舗では、客のリアルタイムの行動データと商品検索機能などを組み合わせて、客の希望する商品の陳列棚までナビゲーションを行ったり、近くに並べられた商品のお薦め情報のプッシュ通知を送ったりするなどのサービス提供ができ、客の体験価値の向上に貢献します。また、蓄積した行動データは、屋内の客の流れを分析したマーケティング施策の立案や、従業員の作業内容・時間を分析した業務効率化などに活用でき、企業のDXを支援します。
体験型施設では、客のスマートフォンを用いて、行動データに基づく自動音声ガイドなどの展示・演出手法への応用などが可能です。

「NaviCX」のシステム概要のイメージ 「NaviCX」のシステム概要のイメージ

サービス提供開始を前に、ホームセンターチェーンを運営する株式会社カインズ(以下、カインズ)の一部店舗では、店舗オペレーション改善や生産性向上のための従業員の業務状況収集を目的とした「NaviCX」の実証実験を3月から行っています。また、6月からは実証実験の幅を広げ、来店客も対象とする予定です。

  • ※1:行動データの取得・分析は、測位対象者の許可に基づいて行われます。
  • ※2:スマートフォンのジャイロセンサーと加速度センサーを利用して人の歩行を検知し、基準となる位置からの移動方向や移動距離を推定する技術です。
  • ※3:地球や建物などの構造物がもつ磁場です。測位対象エリアの磁場などの状況によっては、測位が不安定になる場合があります。
  • ※4:特許申請中。サービス提供開始時には未対応で、今後対応予定。

主な特長

1. 導入までの準備期間が短く、導入コストも抑制

「NaviCX」は、測位に必要なマップの準備が手軽に行え、設置するビーコンの数も最小限※5で済むため、サービス導入までの準備期間が短く、導入コストも抑えられます。現地で行う測位用マップの作成は、ソニーが無償で提供するスマートフォン用アプリケーションを使い、ガイドに従って作業することで手軽に行えます。
東京ドームのグラウンド(約13,000 m²)の規模を2人で作業する場合、約3.5時間でマップを作成※6できます。また、「NaviCX」はPDR技術※2にビーコンと
地磁気※3を組み合わせて測位するため、ビーコンの設置数が少なく※5、導入コストのほか、メンテナンス費用も抑えることができます。

  • ※5:測位対象エリアの広さや希望の測位精度によって設置台数が異なります。
  • ※6:ソニー調べ。測位対象エリアの環境によって準備時間が異なります。

2. 独自の測位アルゴリズムによる、測位精度の向上と向き情報の取得

「NaviCX」は、スマートフォンのジャイロセンサーや加速度センサーを使い、AIによりスマートフォンの微妙な揺れのパターンに合わせて歩行者の動きの特徴を抽出し、対象者の移動方向や移動距離を計測して現在地を推定する独自のPDR技術※2で、基礎的な測位を行います。測位対象者の滞在時間、位置、動線や経路に加えて、これまでビーコンだけでは難しいとされていた対象者の向きの情報まで、リアルタイムに取得できます。また、対象となる屋内施設に設置したビーコンの情報で位置を補正した上で、地磁気※3の情報で測位精度と人の向きの補強を行います。これらを独自の測位アルゴリズムで制御することで、高精度な測位を実現しています。

独自の測位アルゴリズムで制御することで、高精度な測位を実現

3. 蓄積した取得データによるさまざまな切り口での行動分析

事業者側の管理者には、SaaS※7形式で「分析・可視化ツール」を提供します。ツールには、屋内行動データが蓄積されており、行動分析エンジンにより、対象者の位置や移動軌跡の表示、ヒートマップや各種グラフの作成ができます。データの定量化・可視化がいつでも可能となるため、自社内で日常的に客や従業員の行動の実態把握をすることができます。

<取得できる分析データ例>

客:
現在位置、店内/施設内滞在時間、立ち寄った場所と経路、サイネージ前など特定エリアでの滞留時間、アプリ立ち上げ人数
従業員:
上記のほか、現在および時間ごとの実施作業内容、各作業にあてた時間割合、品出し回数
場所:
場所ごとの滞在顧客数と従業員数、各通路の通行量、サイネージ前など特定エリアの立ち寄り人数、エリア相関
  • ※7:Software as a Serviceの略。利用者側でソフトウェアをインストールする必要がなく、インターネット上で必要な機能をすぐに利用できます。

4. エリア連動型プッシュ通知※4によるきめ細やかな顧客コミュニケーション

事前に設定した特定のエリアへ客が立ち寄った際に、事業者のスマートフォン用アプリケーションを通じて客向けに位置情報に基づいたプッシュ通知をすることができます。固定されたビーコンのみを活用するよりも、柔軟に配信エリアや配信時間を設定でき、客に対するきめ細やかなコミュニケーションが可能です。配信エリアや通知内容は、事業者に提供された「マップ設定ツール」で設定できるため、店舗/施設などに出向くことなくプッシュ通知の配信場所を変えることができるほか、ビーコンを増設する必要なく配信エリアを増やすこともできます。

カインズにおける実証実験

カインズは、2019年3月からスタートした中期経営計画「PROJECT KINDNESS」において「デジタル戦略」を柱の一つとして掲げています。来店客の買い物体験の向上や、既存店の高収益モデル化などに取り組む中、各店舗における来店客の購買行動と、店舗メンバーの業務状況を把握する点において「NaviCX」の導入の検討を進めています。
今年3月から実施している実証実験では、パイロット店6店舗を対象に、業務端末を通じて「NaviCX」で店舗メンバーの業務状況を自動的に収集しています。これにより、より詳細なデータに基づいたオペレーション改善に貢献します。
また、300万人以上のユーザーを擁するカインズアプリに測位機能を搭載し、来店客の買い物体験を向上させる店内販促施策などへの活用も計画しており、6月からトライアルを実施する予定です。

「フロントオフィスDXPO」への出展について

マーケティング・営業・宣伝・店舗 DX推進展「フロントオフィスDXPO」に「NaviCX」を出展します。オンラインでの展示は6月1日(水)より1年間、東京ビッグサイトでの展示は、8月25日(木)、26日(金)に行われます。展示情報は、6月より以下のウェブサイトで順次公開予定です。

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