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報道資料
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2023年10月10日

44色以上※1の蛍光同時検出と分取に対応した
細胞分析装置 スペクトル型セルソーター『FP7000』発売

免疫学、細胞生物学、がん領域等の多様化する研究ニーズに対応

2023年10月10日
2024年11月29日改訂

  • ※1:現在市販されている蛍光色素で確認した数字。320nmレーザーに対応した蛍光試薬と組み合わせることにより、今後増える可能性があります。
スペクトル型セルソーター『FP7000』

ソニーは細胞分析装置(フローサイトメーター)の新商品として、独自のスペクトル技術と優れた電子処理系および流路系技術を活かし、44色以上の超多色細胞解析および高速ソーティングを、シンプルな操作で効率的に実現するスペクトル型セルソーター『FP7000』を発売します。

本機は最大6つのレーザーと計182チャネルの光検出器を備え、44色以上の複雑なパネルを用いた細胞の多色解析と分取が可能です。液滴を生成する異なるサイズのノズルに対応しており、多様な細胞の分取に適したノズルを選択できます。
また、重複する蛍光色素のスペクトル情報を各色素に分離し、蛍光波長のピークがよく似た蛍光試薬や蛍光タンパク質を高精度に分離できるスペクトラルアンミキシング機能をリアルタイムに利用できます。高いシース圧と正確な電気的タイミングの制御により、最大6方向へ毎秒25,000回の高速な分取が可能です。

商品名 型名 発売日 価格
スペクトル型セルソーター 『FP7000』 2024年秋(予定)
2025年夏
オープン価格

※ 発売時期を変更しました。(2024年11月29日改訂)

『FP7000』は優れた光学系に加え、柔軟なワークフローを提供します。自動化とガイド付きワークフローにより、研究者の操作に起因する測定結果のバラつきを防ぎ、正確な結果を得ることが期待できるほか、作業の効率性向上にも貢献します。これにより、様々な多色解析を行う研究機関の多忙な業務をサポートします。

本機の導入により、不均一な細胞集団の高度な解析による、微弱な蛍光シグナルを持つ希少な細胞集団の分取を可能にする革新的なテクノロジーと、簡単な操作を融合する設計思想で、免疫学やがん研究などの広範な細胞分析のニーズに対応し、さらなる応用研究に貢献していきます。

主な特長

1. ソニー独自のスペクトル解析技術による、44色以上の超多色解析

ソニー独自のスペクトル解析技術により、波長の異なる6 つのレーザー(320 nm※2/349 nm/405 nm /488 nm/561 nm/637 nm) と 182 個の蛍光検出器からの 44 色以上の蛍光、および自家蛍光を検出することができます。ソニーのスペクトル型セルアナライザー『ID7000』と同等の光学性能を持ち、『ID7000』から本機へ多色分析結果を転用することが可能です。さらに、本機は100 nmほどの微小な粒子の検出もサポートします。

2. 様々なノズルに対応する堅牢なシース加振技術で、安定した分取を実現

シース加振技術により様々なタイプのノズルの堅牢な動作を実現し、12kHz〜100kHzの液滴形成周波数、70kPa〜600kPa の圧力範囲で安定した液滴を形成することにより、コレクションチューブやプレートへ特定の細胞を安定的に分取することができます。

3. リアルタイムアンミキシング技術による高品質な分析

独自のアンミキシングアルゴリズムにより、正確性の高い分析をリアルタイムに実現しています。重複する蛍光色素のスペクトル情報を各色素に分離することで、補正による分析結果のバラつきを排除し、高品質なデータを提供します。

従来のセルソーターによる解析 

スペクトル型セルソーターによる解析

4. 自家蛍光ファインダーによる安定した解析結果

細胞解析において、細胞自体の発する微弱な蛍光情報(自家蛍光)は、本来取得したい蛍光情報の阻害要因となりえるため、自家蛍光の波形形状を事前に特定する必要があります。一方で、多くのサンプルの測定をすると、サンプルごとに自家蛍光の波形が異なるなど、定量的な特定が難しいケースがあります。自家蛍光ファインダーにより、研究者は複数の細胞集団から自家蛍光を識別して分離し、より正確なデータを得ることができ、不均一な細胞集団から微弱な蛍光シグナルの検出を可能にします。いずれのレーザーから検出された自家蛍光シグナルも、分取時のパラメーターとして使用できます。

5. 専任のオペレーターが不要な、高度な全自動セットアップ機能

独自の CoreFinder™ アルゴリズムにより、レーザー光の光軸調整や、サンプルが各レーザースポットを通過するタイミングの算出、液滴のキャリブレーション、分取のための電気的タイミング調整、サイドストリーム調整といった主要な操作を自動化することで、専任のオペレーターでなくても作業を行うことができます。調整に起因する結果のバラつきを排除し、様々な研究目的において効率的な運用が可能です。

6. 研究者の操作をサポートするガイド付きワークフロー

蛍光の波形形状情報などを簡単に登録・検索・選択し参照できるスペクトラルリファレンスライブラリーや自家蛍光分離など、ソフトウェアに組み込まれたガイダンスに従ってスムーズに実験のセットアップを行うことができ、様々な習熟度の研究者による使用が可能です。

主な仕様

レーザー波長(nm) 320※2、349、405、488、561および637 nm
蛍光検出器 182チャンネル
測定パラメーター FSC、SSC、violet SSC※2※3 および182蛍光
ノズル 70、100※2および130※2 µm
サンプルチューブ 0.5※3、1.5※3、5 および15 ml
コレクションチューブ 1.5※3、5、15および50※3 ml
ソーティング チューブ(6方向、4方向、2方向)*およびマルチウェルプレート*
*6方向のソーティングは1.5および5ml、4方向は15ml、
2方向は50mlのチューブにそれぞれ対応
*6、12、24、48、96、384ウェルのウェルプレート、
および96、384ウェルのPCRプレートに対応
電源 100V-240V, 50/60 Hz
対応データフォーマット Flow Cytometry Standard (FCS) 3.1
  • ※2発売後のアップデートにより利用可能です。
  • ※3有償オプションとして対応します。
  • 本機は研究用です。診断および治療には使用できません。
  • 本機はクラス1レーザー(JIS規格)商品です。
  • ID7000はソニー株式会社の登録商標です。
  • その他、記載されている会社および商品名は、各社の商標または登録商標です。

<ソニーのライフサイエンス事業について>

ライフサイエンス事業では、2010年に細胞分析装置の開発・販売を行う米国iCyt(アイサイト)社を買収し、ソニーがこれまで培ってきたブルーレイディスク技術や微細加工技術を融合させ、細胞分析装置や細胞に付着させる蛍光色素を開発しています。細胞分析装置とは、特定の条件下で発光する薬品(蛍光試薬)で細胞を染色し、細胞にレーザー光を照射した際に発する光を、散乱光や蛍光情報として検出することで、細胞の特性を解析する装置です。
ライフサイエンス事業は、基礎研究から前臨床まで様々な用途の細胞解析を行う研究者に貢献しています。

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