報道資料
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2024年8月19日
モバイル・PC用ゲーム開発での実装に向け、さまざまなゲーム開発会社と連携
ソニーは、ヘッドホンで再生可能な立体音響のゲームサウンド制作を実現するゲーム開発者向けプラグインソフトウエア「Gaming Virtualizer by 360 Reality Audio(ゲーミングバーチャライザー・バイ・サンロクマル・リアリティオーディオ)」の提供を開始します。本ソフトウエアは、世界中のゲーム開発会社でさまざまなプラットフォーム向けのゲームにおけるインタラクティブな立体音響の開発に使用されているクロスプラットフォームオーディオミドルウェアソリューション「Wwise®(ワイズ)」(Audiokinetic Inc.)のプラグインとして機能し、低負荷、低遅延かつ自然な立体感のあるヘッドホン視聴向けゲームサウンドの制作を可能にします。
昨今、立体音響に対応した3Dゲームが増加し、モバイルやPCなどのさまざまなプラットフォームで展開されています。一方で、ヘッドホンを使用したゲームのプレイスタイルが定着しており、多チャンネルのスピーカー環境だけでなく、ヘッドホンでも立体音響のゲームサウンドを楽しめる環境が求められています。こうしたゲーム開発やプレイスタイルの変化を受け、立体的な音場に没入できる「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」の開発で培った360立体音響技術を生かし、ヘッドホンで再生できる立体音響のゲームサウンド制作を可能にする「Gaming Virtualizer by 360 Reality Audio」を導入します。本ソフトウエアを使用したゲーム開発により、モバイルやPC向けゲームにおいてヘッドホンを使用した臨場感のあるゲーム体験を実現します。
3Dゲームなどで使用される立体音響をヘッドホンで再生する信号処理には、ゲームをプレイするハードウエアの高い処理能力が必要とされます。「Gaming Virtualizer by 360 Reality Audio」により、最適化された効率のよい信号処理が可能になり、ハードウエアへの負荷を小さくすることで、モバイル機器などの処理能力の限られた機器でもヘッドホンを使用して没入感のある立体的なゲームサウンドを楽しむことができます。
また、360 Reality Audioで培った立体音響技術やノウハウを生かし、低遅延で自然な立体感のある音場を実現します。音の定位感に優れているためゲーム内で上方や後方から鳴る音の位置感覚が分かりやすく、位相干渉の少ない処理によりプレイヤーの視点が大きく動いた際に追随する周りの音の動きもスムーズに体感できます。
「Gaming Virtualizer by 360 Reality Audio」はAudiokineticの協力を受け開発され、同社が提供するオーディオミドルウェア「Wwise」のプラグインとして使用します。「Wwise」は、世界中のゲーム開発会社において、さまざまなプラットフォーム向けのゲーム開発に使用されています。
本ソフトウエアは「Wwise」のプラグインとして使用するため、モバイルやPCなどのそれぞれのプラットフォーム向けのゲームサウンドのデザインを統一して行うことができます。サウンドデザインをプラットフォームごとに調整する必要がなく、ゲームの開発効率が向上します。さらに、ゲーム内のすべての音を一括して立体的な音場に調整するのではなく、音を分けてそれぞれ調整することができます。たとえば、人物の声や効果音など、位置を明確にしたい音は本ソフトウエアを用いて立体音響化し、環境音などの特定の位置から鳴っていない音は別の処理を行えます。それぞれの音にあわせてゲームサウンドを制作することが可能になり、ゲームクリエイターの意図をより忠実に反映した自由度の高い空間表現ができます。
「Gaming Virtualizer by 360 Reality Audio」は、日本、アメリカ、イギリス、中国のさまざまな企業や開発スタジオなどにおいてゲーム開発への実装に向けた検証が進められています。
主な企業や開発スタジオ※1:
株式会社コロプラ / 株式会社Cygames / ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社 / ナイアンテック / 株式会社スクウェア・エニックス
また、株式会社コロプラが提供するアドベンチャーゲーム『PRINCIPLES(プリンシプルズ)』では、本ソフトウエアの実装による新たなサウンドデザインにより、足音やむき出しの電気回路から漏れる音、洞窟内の反響音などを、臨場感のある立体的な音場で体感することができます。『PRINCIPLES』の詳細については下記プレスリリースをご覧ください。
「Gaming Virtualizer by 360 Reality Audio」の導入によって、音像の定位感が向上し、視点移動などを行った際にも違和感の少ない定位の変化を感じられるようになりました。ゲームエンジン「Unity」と「Wwise」を利用した開発環境に手軽に導入することができ、モバイルゲームで問題なく利用できる処理負荷である事も嬉しいポイントです。
ゲームに立体音響を取り入れることで、より臨場感を高めた豊かな音響表現が実現できると確信しています。
「Gaming Virtualizer by 360 Reality Audio」の技術はサラウンドシステムのように特定の機材環境に依存しないため、幅広い層に楽しんでいただけるサービスになるのではないかと考えております。
実スピーカーでの立体音響の出力機器をお持ちのユーザー様は少なく、作り込んだ音響体験を多くの方々に届け切れない中で、プラットフォームを問わず、ヘッドホンにて再現度の高い立体音響を提供できる手段があれば、皆さんにより広くお届けできると考え、本ソフトウエアの検証を行わせて頂いております。
主な仕様や詳細については、下記サイトをご覧ください。
ソニーは、2024年8月21日(水)から8月23日(金)に横浜市のパシフィコ横浜で開催される、コンピュータエンターテインメント開発者を対象とした、ゲームに関する技術や知識を共有する国内最大級のカンファレンス「CEDEC(セデック)2024」に出展します。「Gaming Virtualizer by 360 Reality Audio」について、実際のゲームにおけるデモを行いながら説明を行う予定です。