未来を想うエンタテインメント、ブラビア®
テクノロジーの進化と共に高まりつづける、テレビ画面の大型化と機能の多様化。それに伴い、資源消費や電力消費も増加し続けています。そんな中、ソニーのテレビBRAVIA(ブラビア)®では、資源消費量を抑えるために環境に配慮した材料の積極的な採用をはじめ、視聴中の電力消費量を削減するテクノロジーに至るまで、あらゆる場面において、サステナビリティの実現に向けて徹底して取り組んでいます。
エネルギー消費量や非再生可能資源の使用量を抑えることで、ブラビア®は環境負荷の削減に貢献しながら、自宅での最高の映画視聴体験と佇まいが美しい上質なデザインの提供を両立するイノベーションを実現しています。また、TV視聴時の電力削減に関する設定も簡単に行えるため、共に環境負荷の低減に貢献することが可能です。
独自の技術を結集し、環境配慮に取り組む
ソニーでは、製品に使用するバージンプラスチックを削減するだけでなく、自ら環境配慮素材を開発するなど、新しい素材の探索や採用に積極的に取り組んでいます。さらに、製品をお届けする際の輸送効率の改善や実際に使用する際の消費電力の抑制に至るまで、製品のライフサイクルを通じて環境負荷の低減に取り組んでいます。
使う
ECOメニューでブラビア®のさまざまな省エネ設定を簡単に一括設定することができます。テレビの視聴状況や部屋の環境等に応じた省エネ設定をすべて1か所で簡単にカスタマイズ可能。また、電力消費量を日ごと、週ごと、月ごと等で比較してチェックすることができるので、日々の環境負荷への貢献度も視覚的に実感できます。省エネを行うためのヒントも見ることができます。
毎月のテレビ使用時間や、前年との比較などを確認することができます。
省エネに取り組みながらテレビ視聴を楽しむためのヒントを表示します。
映像と消費電力を同時に最適化
ECOメニューからは、自動スタンバイやブラビア®に内蔵されたセンサーによる消費電力の抑制など、さまざまな省エネ設定が可能です。たとえば、内蔵されたセンサーでは周囲の明るさを検出し、画面の明るさを最適化。同時に電力消費量も最適化できます。
[1] 暗い環境で視聴している場合 [2] 明るい環境で視聴している場合
ECOメニューで省エネのための各種設定を切り替えることで、電力消費量を約25%節約することができます。
[1] 初期設定 [2] 省エネ設定ON
専用アクセサリーであるBRAVIA Cam™(ブラビアカム)を取り付けることで、カメラが人や人の動きを自動検知。
テレビの前に人がいないときは自動でテレビ画面の明るさを下げ、最低限の電力消費量に抑えます。これにより、電力消費量を約41%削減することができます。
独自の信号処理により画面内のシーンごとに明るさを自動で調整することで、電力消費量を最適化しながら、よりメリハリのあるリアルな映像を実現します。
[1] 暗部 [2] 中間 [3] 明部
より高輝度で鮮やかな映像を実現しながら、消費電力を削減しています。
[1] 従来モデル [2] 2024年モデル
作る
高いリサイクル率と製品クオリティーの両立
材料の開発から外観デザインに至る、製品設計のあらゆる面を見直すことで、質の高い仕上がりを保ちつつ、再生材の使用率を大幅に高めることに成功しました。特にBRAVIA 9と BRAVIA 8では、ソニーが独自開発した再生プラスチックの"SORPLAS™"を採用。これにより、再生材の使用量を約65%まで高めています。
再生プラスチック素材で製品外観部品に必要な品質を実現することは、簡単ではないとされてきました。しかし、ブラビア®で採用している"SORPLAS"は、回収する原材料の品質管理、製造時の材料の配合調整、さらに、"SORPLAS"独自の添加剤を用いることにより、テレビで最も面積の大きい背面カバーを含む外観への使用が可能となり、再生プラスチックでありながらブラビア®にふさわしい美しい仕上がりを実現しました。また、外観のみならず、内部パーツでも"SORPLAS"をはじめとする再生材を積極的に採用。特にBRAVIA 9では、光学設計を工夫することで、従来は難しいとされてきた光学パーツにも再生材を使用することに成功しました。
[1] 反射シート(再生材使用) [2] LEDバックライト [3] 液晶パネル
[4] 背面カバー("SORPLAS"使用)
通常、テレビなどの家電製品に用いられるプラスチック材料は、強度と難燃性を高めるための添加剤を含みます。"SORPLAS"専用に開発された独自添加剤は一般的なプラスチックに比べて少ない量で同等の性能を発揮。これにより、テレビの長期使用に耐えうる性能を維持しながら、環境配慮を両立しています。
最新モデルのBRAVIA 9、BRAVIA 8、BRAVIA 7では、付属するリモコンのケースにも再生材を採用。手ざわりや丈夫さを変えることなく、毎日手に取るリモコンも環境に配慮しています。同時にデザインも、地球を意識したエコロジカルなイメージに仕上げています。
"SORPLAS"は市場から回収された使用済みの水ボトルや、工場や市場から排出された廃ディスク、そしてソニーが独自開発した難燃剤などを原料に作られている難燃性再生プラスチックです。リサイクルを繰り返しても劣化しにくい特長を生かし、再度リサイクルすることが可能になれば廃棄物の削減につながり、循環型社会を実現する製品づくりに貢献することが期待されています。
ディスクを製造しているソニー・ミュージックソリューションズから排出される廃ディスクの粉砕品を"SORPLAS"の原料の一部として再利用。ブラビア®のリアカバーに使用しています。
ブラビア®の背面カバーに使用する"SORPLAS"の製造では、用途の同じ難燃性バージンプラスチックを製造する場合と比較して、排出されるCO2の量を約57%削減しています。
[1] 難燃性バージンプラスチック [2] "SORPLAS"
今後、"SORPLAS"を回収しリサイクルするために、"SORPLAS"を使用したパーツには刻印を施し、他の素材と区別できるようにしています。
ブラビア®は環境に配慮した事業所で製造しています。
中国の事業所では2020年から、マレーシアの事業所では2023年から、再生可能エネルギー由来電力率100%を達成しています。
運ぶ
お手元に製品が届くまでの輸送においても環境に配慮。長年にわたるシミュレーションの繰り返しや蓄積した物流のノウハウによって、梱包の細部まで環境負荷の低減を意識した見直しを行っています。
従来のパッケージでは製品の上下左右に緩衝材が配置されていましたが、長年にわたるシミュレーションの繰り返しや蓄積した物流のノウハウによって、製品保護と梱包材使用量の削減を両立できる最適な形態を導き出しました。
CO2排出量を極力抑えて大型テレビを輸送するために、製品を保護するパッケージのサイズや重さも見直しました。サイズを約15%、総重量を約12%削減。これにより、パレット1枚あたりに積載できる台数がアップし、製品1台あたりのCO2排出量を約15%削減することに成功しました。
BRAVIA(ブラビア)は、業界で初めて大型テレビの梱包に採用している発泡スチロール製の緩衝材を撤廃。発泡スチロールに代わり、株式会社カネカ製の「カネカ生分解性バイオポリマーGreen Planet」を採用しました。この素材は「OK Biodegradable MARINE」認証を取得しており、バイオマス由来で様々な環境下で生分解性を有し、土壌中だけでなく海水中でも分解されCO2と水に戻ります。
重量のある大型テレビを守り安全にお届けするために不可欠な緩衝材は、製品のデザインに合わせた複雑な形状に成型する必要があります。これまでに培った包装設計のノウハウとシミュレーション技術を活用し、発泡スチロールとは異なる素材の特性を踏まえながら、従来と同等の強度や耐久性を実現しました。
信頼性の高い輸送と枯渇資源の不使用を両立させ、海洋マイクロプラスチックによる環境汚染問題の解決に貢献します。
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パッケージに印字される製品情報も、従来に比べて必要最小限に抑え、インクの使用量を約91%削減。パッケージのデザインを損なうことなく、環境への負荷を低減する配慮をしています。
開発者インタビュー
ソニー株式会社
技術センター
商品設計第1部門
商品設計2部
テレビはますます大型化し、機能も多様化していますが、同時に環境負荷の低減との両立も大切な要素になってきています。
その中でも気候変動に関係する消費電力の抑制は重要な課題であると認識しています。解決の鍵となるのは、テレビの主要部品であるパネルの駆動技術です。ブラビア®では、映像のシーンや視聴環境の明るさ、温度、専用アクセサリーのBRAVIA Camとの組み合わせで認識した人の存在・位置といったさまざまな情報を基に、バックライトLEDを精密に制御することで、パネル性能を最大限に引き出した高画質な映像表現と消費電力低減の両立を実現しています。
また、ECOメニューでは、設計の工夫によって簡単にわかりやすく省エネ設定ができるユーザーインターフェースを実現したほか、テレビの消費電力量を確認することも可能になっています。
今後も、多様なアプローチによって、お客様に最高の映像体験と環境負荷の軽減につながる取り組みを提供していきます。
ソニー株式会社
技術センター
機構設計第1部門
機構設計1部
10年以上にわたり、独自開発の再生プラスチック"SORPLAS"を積極的に採用しており、今では一部のモデルの背面カバーにも採用しています。
検討を開始した頃は、さまざまな課題がありましたが、"SORPLAS"の開発を担当する部署と連携し、レシピの改良やシミュレーション、試作を繰り返し、性能面や品質面での妥協をすることなく採用した結果、バージンプラスチックの使用量を大幅に削減することができました。
また、製品を保護するパッケージでは、緩衝材の使用量を削減することが重要で、プラスチック使用量の削減を果たすと同時にパッケージサイズの小型化や軽量化にもつながり、輸送効率の向上によるCO2削減効果も期待ができます。
強度シミュレーション技術や物流ノウハウを生かし、何度も実機試験を繰り返したことで、製品保護機能を損ねることなく緩衝材使用量を削減できる最適な形態を導き出しました。
これまでの経験や知識を生かし、今後も設計活動を通じて更なる環境負荷低減を実現していきます。
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