SONY

未来を想うエンタテインメント、ブラビア®

時代と共にニーズが高まりつづける、テレビ画面の大型化と高性能化。それに伴い、資源消費や電力消費も増加し続けています。そんな中、ソニーのテレビでは、資源消費量を抑えるために環境に配慮した材料の積極的な採用をはじめ、視聴中の電力消費量を削減するテクノロジーに至るまで、あらゆる場面において、サステナビリティの実現に向けて徹底して取り組んでいます。

エンタテインメントと環境配慮の両立

エネルギー消費量や非再生可能資源の使用量を抑えることで、ブラビア®は環境負荷の削減に貢献しながら、高画音質による最高の視聴体験と佇まいが美しい上質なデザインの提供を両立するイノベーションを実現しています。また、使用時も各種設定を自由に変更でき、さらなる環境負荷の低減に貢献することが可能です。

環境のことを考えて、作る、運ぶ、使う。

独自の技術を結集し、環境配慮に取り組む

ソニーでは、製品に使用するバージンプラスチックの削減から製品をお届けする際の輸送効率の改善や実際に使用する際の消費電力の抑制に至るまで、製品のライフサイクルにおけるさまざまな側面で、環境負荷の低減に取り組んでいます。

使う

省エネ設定を1か所で、簡単に

ブラビア®のさまざまな省エネ設定を「ECOメニュー」上で簡単に一括設定することができます。テレビの視聴状況や部屋の環境等に応じた省エネ設定をすべて1か所で簡単にカスタマイズ可能。また、環境負荷の低減に貢献していることが視覚的にも実感できます。

[1] 初期設定 [2] 省エネ設定ON

2人がテレビを見ている部屋のイメージ。左側が暗い状態、右側が明るい状態。
使用環境に応じて画面の明るさを自動コントロール。
映像と消費電力を同時に最適化

ECOメニューからは、自動スタンバイやブラビア®に内蔵されたセンサーによる消費電力の抑制など、さまざまな省エネ設定が可能です。たとえば、内蔵されたセンサーでは周囲の明るさを検出し、画面の明るさを最適化。同時に電力消費量も最適化できます。

[1] 暗い環境で視聴している場合 [2] 明るい環境で視聴している場合

2つの棒グラフのイメージ。右側は 32% の削減を表している
ECOメニュー上の省エネ設定による、消費電力削減効果

ECOメニューで省エネのための各種設定を切り替えることで、電力消費量を約32%節約することができます。

人の動きを感知する自動センシング機能

専用アクセサリーであるBRAVIA CAM(ブラビアカム)を取り付けることで、カメラが人の動きを自動検知
テレビの前に人がいないときは自動でテレビ画面の明るさを下げ、最低限の電力消費量に抑えます。これにより、電力消費量を約32%削減することができます。

映像のシーンに応じて
画面内の明るさをコントロールする独自機能を搭載

独自の信号処理により画面内のシーンごとに明るさを自動で最適化することで、電力消費量を最大33%削減するとともに、よりメリハリのあるリアルな映像を実現します。

[1] 暗部 [2] 中間 [3] 明部

作る

独自開発素材で、バージンプラスチック使用量を年々削減

高いリサイクル率と製品クオリティーの両立

材料の開発から外観デザインに至る、製品設計のあらゆる面を見直すことで、質の高い仕上がりを保ちつつ、再生材の使用率を大幅に高めることに成功しました。特に有機ELテレビでは、ソニーが独自開発した再生プラスチックの"SORPLAS™"をテレビで最も面積の大きい背面カバーに採用。これにより、バージンプラスチックの使用量を従来比で最大約60%削減しました。

テレビパネルとプラスチックペレットの山
変わらない美しい外観を、再生材で実現

再生プラスチック素材で製品外観部品に必要な品質を実現することは、簡単ではないとされてきました。
しかし、ブラビア®で採用している"SORPLAS"は、回収する原材料の品質管理、製造時の材料の配合調整、さらに、"SORPLAS"独自の添加剤を用いることにより、外観への使用が可能となり、再生プラスチックでありながらブラビア®としてふさわしい美しい仕上がりを実現しました。

プラスチックパネルのクローズアップ画像。手袋をはめた人が工具を持っている。
より長くお使いいただくための耐久性

通常、テレビなどの家電製品に用いられるプラスチック材料は、強度と難燃性を高めるための添加剤を含みます。"SORPLAS"専用に開発された独自添加剤は一般的なプラスチックに比べて少ない量で同等の性能を発揮。これにより、テレビの長期使用に耐えうる性能を維持しながら、環境配慮を両立しています。

優れたリサイクル性で、循環型社会の実現へ

"SORPLAS"は市場から回収された使用済みの水ボトルや、工場や市場から排出された廃ディスク、そしてソニーが独自開発した難燃剤などを原料に作られている難燃性再生プラスチックです。リサイクルを繰り返しても劣化しにくい特長を生かし、再度リサイクルすることが可能になれば廃棄物の削減につながり、循環型社会に貢献することが期待されています。

左側にCDの画像。右側に小さく破砕されている。
ソニーグループ間で取り組むリサイクル

ディスクを製造しているソニー・ミュージックソリューションズから排出される廃ディスクの粉砕品を"SORPLAS"の原料の一部として再利用。ブラビア®のリアカバーに使用しています。

CO2の排出を57%軽減していることを表す棒グラフ
CO2排出量の削減にも貢献

ブラビア®の背面カバーに使用する"SORPLAS"の製造では、用途の同じ難燃性バージンプラスチックを製造する場合と比較して、排出されるCO2の量を約57%削減しています

SORPLAS製のパネルにエンボス文字を入れた画像。
"SORPLAS"のリサイクルに向けて

今後、"SORPLAS"を回収しリサイクルするために、"SORPLAS"を使用したパーツには刻印を施し、他の素材と区別できるようにしています。

ブラビア®の製造事業所での環境配慮

ブラビア®は環境に配慮した事業所で製造しています。
特に中国の事業所では、2020年から再生可能エネルギー由来電力率100%を達成しています

運ぶ

よりサステナブルな輸送を目指して

お手元に製品が届くまでの輸送においても環境に配慮。長年にわたるシミュレーションの繰り返しや蓄積した物流のノウハウによって、梱包の細部まで環境負荷の低減を意識した見直しを行っています。

2つのパッケージを表した画像で、2018年から2023年まで48%の削減したことを示している。
パッケージでもプラスチック使用量を削減

従来のパッケージでは製品の上下左右に緩衝材が配置されていましたが、長年にわたるシミュレーションの繰り返しや蓄積した物流のノウハウによって、製品保護と梱包材使用量の削減を両立できる最適な形態を導き出しました。

包装に使用するプラスチックバンドと紙バンドのイメージ。

梱包材使用量の削減に加えて、梱包を強化するプラスチック製バンドを、強度は維持しながら紙素材のバンドに変更。梱包でのプラスチック使用量を合計で約48%削減しました

2台のトラックのイラスト。1台は一度により多くのユニットを運ぶことができることを示し、「15%」と下向きの矢印はCO2排出量の減少を示している。
パッケージを小型・軽量化し、CO2排出量を減らす

CO2排出量を極力抑えて大型テレビを輸送するために、製品を保護するパッケージのサイズや重さも見直しました。サイズを約15%、総重量を約12%削減。これにより、パレット1枚あたりに積載できる台数がアップし、製品1台あたりのCO2排出量を約15%削減することに成功しました

インク使用量を抑えたシンプルなパッケージ

パッケージに印字される製品情報も、従来に比べて必要最小限に抑え、インクの使用量を約91%削減。パッケージのデザインを損なうことなく、環境への負荷を低減する配慮をしています。

インクの使用量が多いパッケージと少量のパッケージの2つの画像で、「-91%」の付いたアイコンでインクの使用量が減少したことを示している。

開発者インタビュー

インタビュー対象者のポートレイト。
青嶋 友輔

ソニー株式会社
ホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ事業本部
ホームエンタテインメント事業部
商品設計第1部門
商品設計2部

テクノロジーの力で環境負荷を軽減

テレビの大型化が進み、環境負荷低減がより一層求められているなかで、ブラビア®の消費電力低減に取り組んでいます。鍵となるのは、テレビの主要部品であるパネルの駆動技術です。
ブラビア®では、映像のシーンや周囲の明るさ、温度、BRAVIA CAMで認識した人の存在・位置といった様々な情報を基に、バックライトLEDを精密に制御することで、パネル性能を最大限に引き出した高画質な映像表現と消費電力低減の両立を実現しています。
また、それ以外にも、ECOメニューでは、簡単に、わかりやすく、省エネ設定ができるようなユーザーインターフェース設計上の工夫も行っています。
今後も、多様なアプローチで環境負荷低減に貢献していきたいと思います。

石井 国広

ソニー株式会社
ホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ事業本部
ホームエンタテインメント事業部
商品設計第2部門
設計1部

インタビュー対象者のポートレイト。
長期的な取り組みによってバージンプラスチック使用量を削減

10年以上にわたり、独自開発の再生プラスチック"SORPLAS"を積極的に採用しており、今では一部のモデルの背面カバーにも採用しています。
検討を開始した頃は、さまざまな課題がありましたが、"SORPLAS"の開発を担当する部署と連携し、レシピの改良やシミュレーション、試作を繰り返し、性能面や品質面での妥協をすることなく採用した結果、バージンプラスチックの使用量を削減することができました。
また、製品を保護するパッケージでは、緩衝材の使用量を削減することが重要で、プラスチック使用量の削減を果たすと同時にパッケージサイズの小型化や軽量化にもつながり、輸送効率の向上によるCO2削減効果も期待ができます。
強度シミュレーション技術や物流ノウハウを生かし、何度も実機試験を繰り返したことで、製品保護機能を損ねることなく緩衝材使用量を削減できる最適な形態を導き出しました。
これまでの経験や知識を生かし、今後も設計活動を通じて更なる環境負荷低減を実現していきます。

Footnotes