環境に配慮した
ソニーのものづくり
目指すのはお客様にとっても、環境にとってもより良い製品
お客様にも環境にもより良い製品をお届けするには、環境に対する負荷を製品のライフサイクルの流れ全体で捉えることが必要不可欠です。ソニーは、環境計画「Road to Zero」1のもと、資源の調達、製造、物流、お客様による製品の使用、リサイクル、そして廃棄までを製品のライフサイクル全体として捉え、モノづくりの現場である製造事業所を中心に、さまざまな環境への配慮に取り組んでいます。
エネルギー
モノづくりに電力の使用は欠かせません。だからこそ、製造事業所ではあらゆる省エネ対策に取り組み、お届けする製品を製造する際に排出される温室効果ガスの量を削減するよう努めています。
より省エネ性能の高い機械の導入
各事業所では、省エネを意識して高効率冷凍機、空調機、インバータ採用機器などの導入・入れ替えを実施しています。たとえば、マレーシアのSony EMCS (Malaysia) Sdn. Bhd(SOEM)では、省エネ効果を実現するために高効率冷凍機を導入しました。また、製造エリアの空調には大量の冷水が必要で、大型ポンプで各空調機に送水されるのが一般的ですが、各空調機に小型ポンプを個別に取り付け、管理システムによって必要なポンプだけを運転させることで、消費電力を約40%削減しました2。
高効率冷凍機
小型ポンプ
電力使用量を可視化したモニター
(ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ 幸田サイト)
小さな環境活動の積み重ねと
見える化
製造事業所では、休日の電源オフ、LED照明の使用、空調の管理など、小さな環境活動を積み重ねることで全体の省エネに貢献しています。日本の幸田サイトでは、これらの電力使用量を見える化することで、環境への意識を高めるとともに、将来的には得意とするセンシングやシミュレーション技術を組み合わせ、IoTによる環境モニタリングといった新しい環境技術の確立を目指しています。
再生可能エネルギー由来電力100%に向けて
ソニーグループでは、太陽光電力パネルの導入や再エネ電力証書の購入などにより、2030年までに自社オペレーションにおける再生可能エネルギー由来電力の使用率をグループ全体で100%にすることを目指しています。エンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)事業傘下の事業所では、残すところ日本、東アジア地域とパンアジア地域のみで、2023年度中に100%を達成できる見込みです。
タイのSony Technology (Thailand) Co., Ltd.の施設屋根に設置された太陽光電力パネル。太陽光電力パネルは温室効果ガスを排出せずに再生可能エネルギーを生成する。
資源と水
環境負荷を低減するために、製造過程で使用する資源や水について見直し、事業所から排出される廃棄物を最小限に抑えることを目指しています。
再利用された緩衝材(左)とテレビパネルの輸送に使用されるカートン(右)
副資材の再利用やリサイクル
部品の輸送に使用されるさまざまな副資材の再利用やリサイクルを通じて、廃棄物を削減しています。上海索広映像有限公司3では、2021年度の1年間に緩衝材としてのエアバッグ約190万点、テレビのパネル運搬に使用されるカートンなど約3,000点、航空貨物の保護に使用されるカートン約1万5千点を再利用しました。
[1] Sony Technology (Thailand) Co., Ltd.の廃棄物埋め立て率
[2] 廃棄物埋め立て率(%) [3] 廃棄物埋め立て率の目標値
埋め立て率0%を目指して
ソニーでは、廃棄物の埋め立て率1%以下を目標として定めています。廃棄物を減らす取り組みにより、タイのSony Technology (Thailand) Co., Ltd.では2020年度から廃棄物埋め立て率0.1%未満を達成し、限りなく0%に近くなりました。今後もこの数値を維持していきたいと考えています。
水の再利用
ET&S事業では、部品洗浄に使った水や空調ドレン水、雨水、井戸水の再利用に取り組んでいます。中国の索尼数字産品(無錫) 有限公司(SDPW)3では、構内の水配管を屋上に移設・新設しました。これにより、水もれの早期発見や修繕工事が容易になります。
化学物質の使用量削減
製造と製品の品質を維持することは大前提として、化学物質や溶剤などにおいても廃棄するところまで考慮した効率的な使用を心がけています。たとえば、SDPWでは、洗浄液として使っているアルコールの使用量を前年比で約84 kg削減しました。
モノづくりと生物多様性
ソニーでは、製造事業所が地域の一部として共生することが不可欠だと考えています。そのため、世界各地の国や地域では、社員が地域のコミュニティと協力し、公園や森の維持、生物多様性の保全活動、清掃活動などに取り組んでいます。
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1
事業活動と製品のライフサイクル全体を通じた「環境負荷ゼロ」の実現を目指すソニーの長期環境計画
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2
システム導入前との比較
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3
中国にあるソニーの製造拠点の1つ
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4
協生農法とは、有用植物が育つ生態系を人為的につくり、食料を収穫しながら生物の多様性を豊かにしていくソニーコンピュータサイエンス研究所による取り組みです。「協生農法」は株式会社 桜自然塾の商標または登録商標です。
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