SONY

キャリアを決めるのは、自分の意志。
広く挑める環境こそ、ソニーの強み。

働く上で「今やっていること」と「今後やりたいこと」とのマッチングはとても重要です。ソニーでは、本人の希望でグループ内を異動できる社内募集制度や、一定のキャリアを積んだ後、他部署からのオファーを得て異動できる社内FA制度などを用意し、社員一人ひとりの理想のキャリアプランをサポートしています。ここでは自らの意志で社内異動を実現したお二人に、その理由や実情を伺いました。

※所属・仕事内容は取材当時のものです。

Q 異動した理由について教えてください。

関島
2016年に新卒で入社した当初は半導体事業に所属し、スマートフォン向けのカメラモジュールの設計開発部署でプロジェクト管理や顧客の技術サポートを行っていました。異動したのは、2018年の12月。在籍期間は2年8か月ほどなので、かなり早い異動だと思います。
理由は、もともと学生時代に理系と文系を融合したような領域でずっと研究してきた中で、新卒ではまず技術を深めようとエンジニアとして入社したのですが、もう少しエンドユーザーに近い場所で働きたいと思ったからです。
入社2、3年目で仕事もいろいろと見えてきた、いわゆる第二新卒のタイミングで、同世代も少しずつ転職し始める中、自分も例にもれず、価値観が変わってきた時期でした。

Q社内募集制度に応募してから異動までの経緯は?

関島
募集自体は毎月ありますが、2月と8月が特に募集の多い時期です。それに合わせて8月に応募しました。選考はまず異動先の人事の方と1回面接して、その後、現部署のマネジメントと面接して内定をいただきました。そこから引き継ぎなどを行って、年末に異動した流れです。まだキャリアも浅かったのでそこまで引き継ぎが大変ではありませんでしたが、人によっては時間がかかる方もいると思います。

Q壱岐さんの異動した理由についてお聞かせください。

壱岐
2011年の入社以来、イメージング領域の部署で主にスマートフォンのカメラアプリの開発を担当していました。7年ほど経ったある日、突然「FA権を取得しました」というメールが届き、最初スパムメールかと思ったのですが(笑)、よい機会なので検討してみようと思いました。オファーが複数ある中で、これまで仕事のモチベーションとして、開発したスマホアプリのユーザーレビューを見ていたこともあり、エンドユーザーの反応が身近に感じられる業務という視点で異動先を探しました。関島さんと似ていますね。

QFA先のR&Dではどのようなお仕事でしたか?

壱岐
R&Dは研究開発部門なので、エンドユーザーから遠いイメージがありました。ただ話を聞くと、既存技術をエンドユーザーに届ける新たな方法を模索するための先行研究を行っている部署があり、そこなら自分の志向をかなえられると思って異動を決めました。具体的な業務としては、AIで会話するアバターのようなものを開発し、銀行やショップの受付業務をAIに置き換えることで少人化に貢献する、といった内容でした。
ただ、そのあと、またイメージング領域の部署に戻りました。R&Dは、アプリ開発に比べると、やはりエンドユーザーからの距離の遠さにジレンマを感じたことと、ちょうどその頃、古巣のイメージング部署がみなとみらいにオフィスを移転すると聞き、心機一転もう一度そちらで働きたいと思い、社内募集制度で戻ったかたちです。元々の職場なので戻った時は「え?もう帰ってきたの?」といった感じでした(笑)。

Q今のお仕事内容について教えてください。

関島
現在は技術開発部門で、ヘッドホンやイヤホン向けの新しいユーザーインターフェースを開発しています。タッチ操作や装着検出、頬を叩いてイヤホンを操作する機能など、さまざまな新しいUXの開発に、構想段階から関わっています。
異動直後は環境の違いに戸惑うことも多く、これまでやってきたことがあまり活かせていないように感じられたこともありましたが、4年経ってようやく点と点がつながってきた感覚があります。開発にはさまざまな専門技術を組み合わせる必要がありますが、価値観が異なる各専門家の言語を使い分け、意見を交わしながら組み上げていく仕事をこなせるのも、半導体部門での基礎があったからだと思います。
壱岐
最初と変わらず、モバイルアプリを開発しています。エンドユーザーに近いところに再び戻ったことで、改めて自分の軸はこちらだということを再確認できました。 ただ、1年とはいえ外に出たことで良かったと思う面もあります。それは結局仕事の基本は「人」だということ。R&Dには優秀な人が多くいらっしゃいました。もちろん自分とモノの考え方やマインドが違う人もいましたが、それでもきちんと話をすればわかり合えるし、良い関係をつくることがやはりコミュニケーションの基本になると思いました。能力のある人は、どんな場所でもそれができる。そこに気付けたのは外に出たからこそだと思います。

Q異動直後、慣れるためのサポートなどはありますか?

関島
給与や福利厚生などの待遇面や社内システムは同じなので、そういったことは心配していませんでしたが、やはり仕事の内容が変わるので覚えることは多いです。特に私の場合は、畑ちがいの領域への異動だったので、使われている言葉からわからないことが多く、かなり戸惑いましたね。とにかく自分で本を読むなどして必死でキャッチアップしました。出られる会議はすべて出てメモを取り、それを後で読み込むなどして少しずつ知識を貯めていきました。もちろん周りの方に質問もしたり教えてもらったりする場面もありました。
社内募集の公示において、求める人物像が明確化している場合もあれば、今後を見越した募集という場合もあり、私は後者だった気がします。「異動後は自分で役割を開拓してください」というメッセージも含まれており、少し苦労するのかなと思いながらも、自分がやりたいと思う仕事にチャレンジしてみたという感じです(笑)。

Q現在の部署に異動して良かったことは何でしょう。

関島
部署にもよると思いますが、オーディオの今のチームは比較的年齢層が低く、若いメンバーが多いです。新しい機能やUI/UXの開発となると、そのターゲットとなるZ世代の価値観に近いのはむしろ新入社員です。特に今の部署はユーザー目線を大事にするので、そういう意味で若手にも活躍の場がたくさん与えられていると感じます。
あとは技術交流ですね。他部署のさまざまな方と議論を交わすのはとても勉強になります。コンスーマーエレクトロニクスを単独で手掛ける企業が減ってきている中で、ソニーは多様な部門が混じり合い、うまく融合できていると感じます。
壱岐
私は風通しのよさですね。先ほど関島さんもおっしゃっていましたが、関係部署やステークホルダーが多いほど、話を通すのに下交渉などが必要になって時間がかかります。私の周りには話せば理解していただける方が多いので、関係者の人数の割には小回りが利いたフレキシブルな組織だと思います。

Q今後のキャリアプランについて教えてください。

壱岐
現在のように数百万人が使うレベルのアプリを少人数で担当できるのは非常にエキサイティングです。また反対にその道のプロフェッショナルが使うようなきわめて専門性の高いアプリも開発しています。マスの声、プロの声問わず、さまざまなエンドユーザーの反応を直接感じながら、いろいろな開発に関われる今の環境は、自分にとって理想的。しばらくは異動せず、続けていきたいですね。
関島
異動して4年ほどになりますが、新しい体験を実現できるやりがいのある仕事なので、今の環境でスキルアップしたいと思っています。壱岐さん同様、エンドユーザーが近い仕事に取り組めていますし、しばらくこのまま頑張るつもりです。
ただ、4年間の中でエンドユーザーの捉え方が少し変わってきているとも感じます。ユーザー目線で開発するという意識は、もはや当たり前で、それだけでは競合他社に勝てません。世の中がまだ気づいていない潜在的に抱えているニーズに訴えかけるような商品を、未来に先回りして生み出す必要があります。抽象的ですが、今後はそのあたりを意識して取り組めたらと思います。

Qこれから入社を志す方にメッセージをお願いします。

関島
私自身もそうでしたが、会社は結局中に入ってみないと何をするかわかりませんし、合わない可能性もあります。それで辞めてしまう人も多い。でもそんな時、社内募集制度があれば、以前のキャリアを無駄にせずに次に進めます。同じ会社なので異動先のリサーチもしやすいですし、「会社を変える」という大きなリスクを負わず、やりたいことにチャレンジできます。他の企業にはあまりない制度だと思うので、まずはソニーに入って働きながら適正を見極めるのもひとつの選択肢だと思います。
壱岐
ソニーグループには本当にいろんな分野の仕事があります。法人向けの仕事もあれば、教育分野の仕事もあり、私も興味次第ではまったく違う分野に異動していた可能性もありました。待遇は維持しつつ、仕事の興味だけで環境を変えられるのは大きな強みだと思います。さらに会社は違ってもグループは同じなので、社員個々の基本的なスタンスやリテラシーが近いのも心強いところです。人生において挑戦は大切ですが、それに伴うリスクは少ないに越したことはありません。そういう意味で、安心してチャレンジできる環境にい続けられるのは幸せなことだと思いますね。
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