ORCA 1982-2015
ギャラリー1ギャラリー2
- 展示期間
- 2015年8月21日(金)~9月17日(木)
- 展示時間
- 11:00~19:00
- ※9月7日(月)、9月8日(火)は休館
- ※最終日は15:00まで
ギャラリートーク開催のお知らせ
水口博也氏によるギャラリートークを開催します。
水口氏の撮影スタイルや今回の展示作品の撮影エピソードなど、臨場感あふれるトークをお話いただきます。
- 開催日時
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- 8月29日(土) 14:00~14:45
- 8月29日(土) 17:00~17:45
- 8月30日(日) 14:00~14:45
- 8月30日(日) 17:00~17:45
- 開催場所
- ソニーイメージングギャラリー 銀座(ソニービル6階)
- 入場無料、事前予約不要です。
- ギャラリートークは記録のために録画します。
- 座席はございません。
巨体を宙に躍らせる力強さで見る人を畏怖させ、奥の知れない知性の片鱗を見せて想像力をかきたてる。この動物をそばで見て、とりこにならなかった人をぼくは知らない。
ぼく自身、1982年にカナダ、ジョンストン海峡ではじめて野生のシャチを目にして以来、結局いまにいたるまで撮影をつづけることになった。ほかの動物や自然も併行して撮影しているけれど、片ときも頭のなかから離れなかった被写体は、シャチだけだ。
当初、ジョンストン海峡からはじまったシャチの撮影は、その後、メキシコのコルテス海、ノルウェー北極圏のロフォーテン諸島、アルゼンチンのバルデス半島から南極半島を含む、世界各地の海をカバーするまでになった。そして、いまでは——ぼくが撮影をしはじめた三十数年前には考えられなかったけれど——北海道の羅臼や釧路など国内でも日常的にシャチが観察、撮影できるようになっている。
何故、これだけ異なる場所で、シャチを見たいと思ったか。それは、世界各地の海に暮らすシャチたちが、それぞれに個性的だからだ。違う海にすむシャチたちは、ときには姿形さえ違ってさえ見える。それ以上に、各地の海に暮らすシャチたちは、それぞれの獲物を狩る方法や、暮らす海の環境の使いかたを独創的に編み出し、それを親から子へ、群れのなかまへと受け継いできた。まさに、それぞれの文化を持った存在といっていい。
1988年に最初のシャチについての著書『オルカ—海の王シャチと風の物語』、1990年には『オルカアゲイン』(講談社出版文化賞写真賞)を発表して以来、今年『シャチ生態ビジュアル百科』を出版するまで、何年かに1冊はシャチについての著書や写真集を発表してきたから、この動物は写真家としてのぼくの生活を支えるとともに、ぼくの仕事のありかたさえ規定してきた被写体である。
今回の写真展「ORCA 1982-2015」は、きわめて初期の作品からごく最近の作品までを一堂に集めたもので、ぼくの三十数年にわたる写真家としての仕事が集約されたものだ。
2015年 夏
水口博也