所 幸則 プロフィール
1961年 香川県生まれ。大阪芸術大学卒業後、フリーのフォトグラファーとして活動。
1992年 ドイツの「フォトキナ 92」で「世界の新しい表現者」の日本代表として作品が選ばれる。その後、海外の雑誌で特集が組まれるなど国内外で活躍。
現在、大阪芸術大学客員教授。
個展や写真集など
- 1995年
- 日本写真家協会と文化庁が選んだ「日本現代写真展」
(表現への試みで独自の方法論を模索し確立した写真家たちの部)に出展
- 1998年
- 東京都写真美術館「MEDIALOGUE 日本の現代写真’98」に出展
- 2003年
- ZOOM International(イタリアのフォトアートマガジン)で表紙と巻頭特集を組まれる
- 2008年
- 個展『渋谷 1Second 瞬間と永遠』を渋谷で開催
- 2009年 5月
- EYEMAZING(オランダのファインアートフォトマガジン)で特集が組まれる
- 2010年 3月
- 大型個展、所幸則写真展『PARADOX』を GALLERY 21にて開催。
- 2011年 2月
- ニューヨークのオンラインマガジン NEW YORK OPTIMISTに紹介される
- 2011年 3月
- フランスのアートキュレートマガジンAs de Pixelにて特集
- 2012年 4月
- 「個園 -中日現代美術交流展」 人可艺术中心
日本側アーティスト: 草間彌生、荒木経惟、所幸則、端聡、岡部昌生
- 2012年 5月
- 東京画展『TOKYO-GA meets NYPH 2012』in NEWYORKE
- 2012年 6月
- 写真展『1second─ほんとうにあったように思えてしまう事』
Niiyama's Gallery and sales Salon
- 2014年 4月
- 大阪芸術大学客員教授に就任。
- 2014年 4月
- 写真展『時間と空間』 上海 M50ーoffice339
- 2014年 9月
- 写真集『ONE SECOND vol.01 SHIBUYA』 蒼穹社より発売
- 2014年 10月
- 写真展『One Second ~瞬間と永遠~』 ソニーイメージングギャラリー
- 2015年 6月
- 写真展『アインシュタインロマンス』 H.P.FRANCE WINDOW GALLERY MARUNOUCHI
- 2015年 7月
- 写真展『PARADOX-TIMEアインシュタインロマンスをめぐる冒険』 ESPACE KUU 空
- 2015年 8月
- 写真集『Einstein Romance』 蒼穹舎より発売
- 2016年 2月
- 写真展『アインシュタインロマンス』 Gallery TANTO TEMPO
- 2017年 5月
- 写真集『うさぎガールと黒縁眼鏡』 うたかた堂より発売
今回の展示のテーマは“時間”。2006年から取り組んでいる“時間”について、所幸則流のアプローチで表現しています。
アプローチは2つあります。1つは、“One Second”という1秒間に起きたことを1枚の写真に閉じ込め、視覚的に体感してもらうという方法論。地元渋谷を舞台に制作を開始し2008年に発表した“One Second”シリーズが源流となり、その後2017年に発表した「うさぎガールと黒縁眼鏡」(通称:お散歩ジャンプ)シリーズに結実する表現手法です。今回は「うさぎガールと黒縁眼鏡」シリーズから、カラーの作品を展示します。
「うさぎガールと黒縁眼鏡」シリーズは、僕(黒縁眼鏡)と7歳の娘(うさぎガール)が散歩に出かけては、草むらや街角で“美しい光”を探して、その光の中で3回ジャンプする姿を”One Second“の技法で撮影しました。「父と娘のわずかな美しい時間」です。
もう1つのアプローチは、秒速80m以上の高速移動で起きる距離と時間の関係性を視覚化するシリーズ。アルベルト・アインシュタインに敬意を表し“Einstein romance”と名づけました。いずれも科学的な実証実験のようなスタイリッシュな表現だと自負しています。
この10年間、発表してきた作品はモノクロームばかりでした。モノクロームによる表現をとってきたのは“時間”というテーマが明確になりやすいからという意味もありますが、1990年代に確立した表現スタイルから「色彩の魔術師」と評されることも度々あり、このイメージを払拭したいという思いからこれまでの10年はモノクロームでの表現に注力してきました。しかし、時が経つにつれ、過去の所 幸則のイメージに捕らわる人は少なくなってきたのではないかと感じるようになったため、今回はごく一部を除きカラー作品で構成します。是非、新しい「時の Wizard」所幸則の「色彩の魔術師」ぶりを楽しんでください。
2017年夏 所 幸則