優しい写真
- 展示期間
- 2018年11月2日(金)~11月15日(木)
- 展示時間
- 11:00~19:00
ギャラリートーク開催のお知らせ
幡野広志氏のギャラリートーク(主催:幡野広志写真事務所)を開催します。
※トーク開催中は、事前に予約済みではない方はギャラリー内に入場していただくことができません。予めご了承の程よろしくお願い申し上げます。
- 開催日時
- 開催場所
- ソニーイメージングギャラリー 銀座(銀座プレイス6階)
- 事前にご予約をされたお客様のみご覧いただけます。
Englishソニーイメージングギャラリー 銀座
幡野広志氏のギャラリートーク(主催:幡野広志写真事務所)を開催します。
※トーク開催中は、事前に予約済みではない方はギャラリー内に入場していただくことができません。予めご了承の程よろしくお願い申し上げます。
いい写真ってなんだろうとずっと考えていた。
伝えたい人に、伝えたいことが伝わる写真が、いい写真の一つなのだと、
最近になってようやく、ぼくなりの答えをだすことができた。
最近なにがあったかというと、ガンになった。
あと数年は生きられるけど、治る見込みはない。
こういうことを言うと、奇跡がおきると励ましてくる人がいるけど、
1%の希望に目を向けるなら、どうじに99%のリスクを受け入れたほうがいい。
ぼくには2歳の優(ゆう)という名前のウルトラかわいい息子がいる。
息子は父親の記憶がほとんどない人生を歩んでいくことになる可能性が高い。
だけどそれは可哀想なことでも不幸なことでもない、
ぼくも息子も与えられた条件のなかで生きているだけだ。
ただ、息子にはぼくの気持ちが伝わってほしい。
けっして優くんのことが嫌いでお父さんはいなくなったわけじゃない。
ぼくは息子のことを愛していた事実を伝えるために、写真を撮っている。
君に伝えたい、ただそれだけだ。
ちゃんと伝わるだろうか。
すこし心配だけど死んだあとの心配をしても仕方がないし、
きっと妻がうまくフォローしてくれる。
どういう仕組みなのかよくわからないけど、
カメラのシャッターを押すと一瞬で写真として記録される。
いい写真の答えを出すのがすこし遅かった気もするけど、
間に合わなかったわけじゃない、死ぬちょくぜんまで写真は撮れる。
写真を撮る人生を選んでよかったとおもうけど、
きっと違う人生を選んでいてもよかったと感じているとおもう。
健康なときよりも充実した日々を過ごしている。
生きていて、本当に良かったとおもう。