普段、コマーシャル撮影の仕事をしていると、花は脇役となることが多いです。主役の商品の横に添えられる花、またはインテリアの一部として置かれる花。そんな花を私はいつも愛おしく感じています。

形や色はもちろん、風に吹かれる仕草さえも、花の表情は１本１本異なります。同じ花でも次の日には揺れ方が変化し、花びらの散らせ方もさまざまです。

1本1本の花とじっくり対峙していると、魅力的で美しい表情を発見する瞬間が来ます。こちらの思いをぶつけるのではなく、花の意思を尊重して、写真が出来上がっていくように思います。

凛と誇らしくしている花たちが、今回の主役です。