風と土
- 展示期間
- 2019年3月1日(金)~3月14日(木)
- 展示時間
- 11:00~19:00
ギャラリートーク開催のお知らせ
岡嶋和幸氏によるギャラリートークを開催します。
- 開催日時
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- 1. 2019年3月9日(土) 14:00~14:45 ゲスト:福島 晃氏(デジタルカメラマガジン編集長)
- 2. 2019年3月10日(日) 14:00~14:45 ゲスト:藤森邦晃氏(フォトコン編集長)
- 開催場所
- ソニーイメージングギャラリー 銀座(銀座プレイス6階)
- 入場無料、事前予約不要です。
- 座席はございません。
- ビデオ録画や音声録音はお控えください。
作品展「風と土」の舞台は、アイルランドの南西にあるディングル半島である。その中でも主な撮影地は大西洋に突き出た最西端のエリアだ。
ディングル半島に興味を持ち撮影するきっかけとなったのは、ある著名な写真家が書いた小説との出合いだ。その旅行記のような風景描写は、まさに写真家の感性によるものだった。「実際にディングル半島を訪れると、日本では見ることができない、ダイナミックな風景が広がっていた」と岡嶋氏は語る。そして作品「ディングル」を撮り下ろし、2008年に発表した。
今回の作品では、前作から約10年を経て、ディングルと自分自身にどのような変化があったのか、岡嶋氏はそれを見極めたいという思いがあった。前作は「風光」がテーマで、美しい自然の眺めを表面的に切り取っているが、今回は「風土」。この土地の素顔を本質的に捉えようとしている。
この地方は天気が変わりやすい。快晴無風かと思えば、大西洋からの偏西風が突然吹き荒れる。しかも、「風の“質”が日本とは違う。風がずしりと重たい」と言う。
ここでは大西洋西南から吹き抜ける風の通り道を避けるように、人も植物も大地にしっかり根を張り、生命を培う力を養う。だが、水や栄養を蓄える土はわずかに地表を覆う程度で、そのすぐ下は固い花崗岩だ。それ故、植物は地中深く根を張り巡らせることができず、背丈の低い草しか育たない。丘陵地には緑の草原が広がり、牛や羊が放牧されている。草よりも背丈の高いものは、強い風に吹き飛ばされないようにするのが精一杯だ。目にする光景には、ここで生きる生命の気質のようなものが現れている。
暴れる風と荒涼とした風景。その素顔を捉えた素朴で力強い作品が展示された空間で、ぜひそこに吹いている風や潮の匂いを感じていただきたい。