髙倉大輔 『loop pieta / vein』
- loop pieta
- 人生の節目を経験し、子供だった私は大人になり、そして親になり子供を抱き、やがては死んで行くのかもしれない、そう今までになく実感した。血の色をまとった"私"がその腕に抱く"私"は、これから生まれるかもしれない子供でもあり、これから死んでいく親であり、それはすなわち自分である。これはどこにでもある、遥か昔から円環する血脈の物語だ。
- vein
-
- 満開の桜が咲いた。花を咲かせ、支えているのはその根であり幹であり枝である。
例え花がなくとも、植物はとても美しい。世界のあらゆる場所に誇らしげに立っている。
この白い腕にもまるで枝々のような青い静脈が走っている。血が巡り、私は生きている。
花が咲こうと咲くまいと、皆、生きている。
髙倉大輔(たかくらだいすけ)プロフィール
東京在住。1980年埼玉生まれ、2002年立教大学法学部法学科卒業。
主な個展
- 2019
- 「clerestory」 | TEZUKAYAMA GALLERY
- 2018
- fotofever | Carrousel du Louvre 、パリ
- 2017
- fotofever | Carrousel du Louvre 、パリ
- 2016
- 「monodramatic/loose polyhedoron」 | TEZUKAYAMA GALLERY
- 「monodramatic/loose polyhedoron」 | ソニーイメージングギャラリー、 東京
- 2015
- 「Various Life」 | Factotum Gallery 、東京
- 2014
- 「Monodramatic」 | Art Gallery M84 、東京
受賞暦
- 2015
- International Photography Awards 2015 Professional: 2nd place
- 2015年度ヤングポートフォリオ(選:細江英公、森山大道、北島敬三/清里フォトアートミュージアム)
- See Me Exposure Award the 5th annual – Honorable Mention The Candid/Street Collection
- PX3 Portraiture- SelfPortrait: 1st Prize
- PX3 Portraiture- Fine Art- Abstract: 3rd Prize
- 2014
- LensCulture Visual Storytelling Awards: ファイナリスト
- Emon Award: ファイナリスト
- 2013
- 御苗場Vol.13関西: TEZUKAYAMA GALLERY賞受賞
- 博報堂ケトル代表取締役社長・共同CEO-: レビュアー賞ノミネート
主なグループ展, アートフェアなど
- 2018
- 2018Review Santa Fe サンタフェ
ART CENTRAL 2018 Central Harbourfront 香港
- 2015
- fotofeverCarrousel du Louvre パリ
「Brave New World」DOX プラハ
髙倉大輔 前回展示
高縄奈々 『Life of Wild Dolphins』
東京都に属する小さな離島、御蔵島。
この島の周りに約150頭の野生のミナミハンドウイルカが暮らしている。
海という厳しい環境で生き抜くその姿は、「かわいい」「平和的」といった言葉だけでは説明しきれない。親しげに近づいてきたかと思えば、鋭い歯を見せつけ威嚇する。子を産み育て、また次の命へつなぐための攻防が繰り広げられる。
この作品では、水族館ではあまり見ることができないイルカの暮らしのごく一部を紹介する。
高縄奈々(たかなわなな)プロフィール
幼少時に水族館で出会ったイルカに魅せられトレーナーを目指し上京するが、
2002年に御蔵島で調査ボランティアとして野生のイルカと泳ぐ体験をし、野生の鯨類の虜となる。
専門学校卒業後の2004年に御蔵島へ移住、ドルフィンスイムツアーのガイドをしながら独学で水中写真をはじめる。現在は愛知県を拠点に野生のイルカ・クジラの撮影を継続。映像はテレビ、雑誌など国内外の各種メディアに提供している。
2017年に写真集「Dear Dolphin -イルカと出会う日-」を発表。
高縄奈々 前回展示
中井和味 『まほらま』
まほらまとは、古語で美しい場所という意味があります。
小学生の頃、奈良にある祖母の家に、ひとりで泊りに行ったことがありました。母が紙に書いてくれた電車の乗り換え時間とにらめっこしながら、3時間以上かけて向かったその夏休みの時間は特別で、見るもの全てが新鮮に感じ、冒険気分でした。
旅をすると蘇ってくる感情があります。
離れて暮らす家族を懐かしんだり
綺麗なものを見てわくわくする衝動
もう会えない人を想い、ぎゅっと熱くなる気持ち
わたしにとっての“まほらま”をこれからも旅で見つけたい
中井和味(なかいかずみ)プロフィール
兵庫県出身。演劇や自主映画に参加する傍ら、制作活動を行う。撮影現場で見た一眼レフカメラに興味を持ち写真をはじめる。2017年PHaTPHOTO写真教室卒業。宣材/アーティスト撮影、家族写真撮影、旅ライターとしても活動中。
中井和味 前回展示
原田佳典 『萍逢鉄路 眼差しのインド』
インドの鉄道の歴史において、軽便鉄道の存在は欠かせない。標準規格の鉄道網の隙間を縫うように、より狭い線路で簡易に建設された軽便鉄道は、小さな集落や自然条件の厳しい地域の生命線であった。本線の客車よりずっと小型な軽便鉄道の客車には様々な人が乗り合わせていて、時には屋根まで満員だった。
今日、その急成長する経済と合わせて、インドという国も大きく変化しつつある。
古色蒼然とした軽便鉄道はまもなくその役目を終えようとしている。廃止される路線、標準規格に修正される路線。多様な要素が混在していたインドの鉄道では、急速に規格の統一が進んでいる。
鉄道だけでなく、人々の生活もまた徐々に変わっているのだろう。過激な競争社会、自殺問題、宗教対立。私がインドに滞在している間にも、隣国との間の武力衝突が連日ニュースを賑わわせていた。今日のインドは、おおらかで様々な価値観が共存するという印象だけで語ることはできない。
実体としての軽便鉄道が、古き良き鉄道情景が失われても、そこにあった寛容で温かな日々は残り続けて欲しいと思う。旅先で偶然巡り合った彼らインドの人々の生活が穏やかなものであることを、私は願わずにはいられない。
原田佳典(はらだけいすけ)プロフィール
1997年 静岡県生まれ。早稲田大学建築学科在学。祖父が台湾生まれであった影響もあり、2014年(16歳)で初めて台湾を訪れる。同年よりアジア各国をはじめ世界各地を旅し、鉄道と人の生活を写すようになる。
原田佳典 前回展示
ソニーイメージングギャラリーは、2019年7月に開館5周年を迎えます。5周年を記念して、これまでに作品展を開催した作家の中から新進の作家8名の作品をPart1、Part2に分けてそれぞれ1週間ずつ展示します。これからも続く未来へ向けて、写真を愛するたくさんの皆様と共に、これからの写真の進化や多様性を見つめる機会とさせていただきたいと考えています。