葛西亜理沙 『dots』
点は線に
線は面に
面は球に
球は世界になる
旅先で撮っているとこんな感覚になる。ひとつの出会い、一枚の写真は、ひとつの点(dot)で、その点のもつ物語は線となり、線を増やしてつなげていくことで世界が広がり、深みをおびていく。
オーストラリアで出会った女性はハーモニカを奏でながら私を手招きして語り始めた。「大地は誰のものでもない、ただ存在しているだけ。その大地からこの世のありとあらゆるものは恩恵を受けているのよ。」と。
束の間の出会いだったが、彼女の言葉は心に残り続けている。
行かなければ、見えない、語れない、撮れないものが世界にはあふれている。
物語を撮りに、また世界を旅する。
葛西亜理沙(かさいありさ)プロフィール
横浜生まれ。青山学院女子短期大学英文科、サンフランシスコ州立大学芸術学部写真学科卒業。帰国後、写真家 坂田栄一郎に師事。2010年より独立。東京を拠点として、広告や雑誌、カタログ、WEBなどの撮影を中心に活動。旅をひとつのテーマとし、国内外で撮り続け、発表している。
葛西亜理沙 ウェブサイト
受賞歴
- 2015
- 第16回上野彦馬賞「九州産業大学賞」受賞
- 2014
- 第63回朝日広告賞入賞
主な展覧会
- 2016
- "倉敷フォトミュラルf" 倉敷アイビースクエア 岡山
- 2016
- “NO WHERE, NOW HERE.” ソニーイメージングギャラリー 東京
- 2016
- “上野彦馬賞受賞作品展” 東川町文化ギャラリー 北海道
鹿児島市立美術館 鹿児島、福岡市美術館 福岡、長崎県美術館 長崎
- 2015
- "上野彦馬賞受賞作品展"
東京芸術劇場ギャラリー 東京、九州産業大学美術館 福岡
- 2012
- ”WA Project 2012” 東日本大震災チャリティ・オークション 72Gallery 東京
- 2007
- “San Franciscans” フォトギャラリーインターナショナル 東京
- 2004
- ”CONVERSION” マグノリアギャラリー 米国 カリフォルニア
葛西亜理沙 前回展示
武井琴 『KomaTrip』
北軽井沢の森から生まれた"コマ撮りアニメ"と"ダンス"を融合させた動画シリーズ。
本作品展では、前回の個展「森へ行こう」に続き、新たに「三重 亀山」と「東京 浅草」を舞台に制作した2作品を加えて、アニメーション上映とプリント展示をいたします。
コマ撮りの制作を通して、様々な景色や風土、歴史、文化、人々との出会いがあり、土地ごとに異なる空気や時間の流れが自分自身の身体感覚に大きな影響を与えてくれました。旅をするような感覚で、本作品展をお楽しみいただけましたら幸いです。
武井琴(たけいこと)プロフィール
神奈川県横浜市出身。立教大学 現代心理学部 映像身体学科 卒業。幼少期にクラシックバレエをはじめ、高校時代にコンテンポラリーダンスと出会う。同時期、写真とアートアニメーションに興味を持ち、人形コマ撮りアニメーション「僕の石鹸」を自主制作、発表。大学在学中、テーマパークに就職。パフォーマーとして3年間の勤務を経て、2016年夏より、文化庁・NPO法人DANCEBOX主催の「国内ダンス留学@神戸5期」に参加。ダンスとコマ撮りアニメーションを融合させた映像制作に取り組み、国内外で作品を発表。パフォーマーとして地方芸術祭や演劇作品に出演するなど、分野を超えた自由な表現について模索している。
武井琴 ウェブサイト
受賞歴
- 2009年
- 第11回 TBS Digicon6 学生賞
- 2009年
- メディア・コンテンツ大賞 高校の部 佳作
- 2010年
- TAF2010 第9回 東京アニメアワード 公募部門 入選
- 2017年
- 亀山トリエンナーレ2017 アワード受賞
武井琴 前回展示
内藤由樹 『Memories ON SALE ♯3』
特定の思い出を他人に売るプロジェクト。購入者のみに内容を伝え、「思い出の持ち主が移った(金輪際私は誰にもその話をしない)」と明記した法的に効力のある契約書を交わす。
いろんなものが買えるようになった今、私たちは、次にお金で何かを手に入れるとしたら何を欲しがるだろうか、記憶では?と考えている。
今回は「南米パタゴニアでひとりで山登り中土砂崩れに巻き込まれて滑落、怪我を負い遭難し死にそうになりながら一週間生き延びた」記憶について。
内藤由樹(ないとうゆき)プロフィール
1987年大阪生まれ。日本でフォトグラファーとして活動した後、海外で写真を学ぼうと日本を離れヨーロッパ・アメリカ大陸を旅する。2014年より、南米ペルー・リマにあるcentrode la imagenでビジュアルアートのマスタークラスを受講、2015年master digreeを取得。現在は南米、アジア、ヨーロッパと幅広く活動している。
内藤由樹 ウェブサイト
個展
- 2018年 6 月
- 『this is/isnʼt mine/yours 2.0』NiiFine Arts 大阪
- 2016年 2 月
- 『それらはばらばらに現れなおしつづけている』ソニーイメージングギャラリー 東京
- 2016年 1 月
- 『this is/isnʼt mine/yours』NiiFine Arts 大阪
グループ展
- 2017年12月
- Lianzouphoto festival 連州 中国
- 2016年10月
- Entropíasde la Memoria y el Presente, Gallery EL OjoAjeno リマ ペルー
- 2016年 9 月
- Banal/SubversivoGaleríaPuNcTuM メキシコシティ
- 2016年 7 月
- nothing then everything ART OSAKA 大阪
- 2015年 8 月
- Pier de Tierra Sala Luis Miro Quesada リマ ペルー
- 2015年 5 月
- aterritorial、Gallery EL OjoAjeno リマ ペルー
- 2013年10月
- キヤノン写真新世紀受賞者展 東京都写真美術館/ 大阪アートコートギャラリー
- 2013年 9 月
- キヤノンフォトグラファーズセッションファイナリスト展 キヤノンギャラリー品川 東京
- 2013年 8 月
- 乱反射 unolit 岡山
スクリーニング
- 2017年 4 月
- Proyecta2017 マドリード スペイン
出版
- 2013年
- being TIP BOOKS
内藤由樹 前回展示
長谷康平 『pictorial”S” another』
ドライフラワーは不思議だ。生きているもの。自然のなかで朽ちていくもの。どちらともまったく違う性質の、神秘的な美しさがある。
その独特の形状や質感、深みのある色合いに惹かれ、思い起こせば最初は好奇心からレンズを向けていた。それが気づけば、夢中になっていた。
まるで、魔力を使って時を止めようとしたかのような唯美的な姿に、今も昔も人は惹き付けられるのかもしれない。
これらの撮影は、すべてスタジオの中で行った。閉ざされた空間の中で、ドライフラワーと一対一のやりとりをしていくうち、撮影の際に“S”という概念があることを、強く自覚するようになっていた。
- Subject・・・
- 被写体をあらゆる角度から観察し、そのどこに一番魅力を感じ、何を表現したいのかを整理する
- Simple・・・
- 被写体の魅力を引き立たせるために、必要最小限の要素に落とし込む
- Sketch・・・
- 光という絵の具で一瞬で描くように写真を撮る
今では常に意識するようになったこの概念を、これからも大切にして写真と向き合っていきたいと思う。
(2017開催「pictorial”S”」より)
今回の展示は2017年にソニーイメージングギャラリーで開催した作品展「pictorial “S”」の続編です。展示が終了した後も撮り続けている大切なテーマの一つなので、今回、同テーマで再び皆様にご覧いただける機会が貰えたことを本当に嬉しく思います。
長谷康平(はせこうへい)プロフィール
1987年、東京都生まれ。日本大学藝術学部写真学科卒業。大学在学時より写真家・大屋徳亮氏に師事。現在、フォトグラファーとして、共同印刷グループ株式会社コスモグラフィック メディアクリエイティブ部 播磨坂スタジオ課に在籍。広告写真を主に手がけている。
受賞
- 2006年
- 2006 Nadar style355 2nd Photocontest 「silver賞」
- 2009年
- 第34回JPS展 「22歳以下優秀作品」
- 2011年
- 第36回JPS展 「入選」
ピクトリコフォトコンテスト2010 「GEKKO賞」および「入選」
- 2012年
- APAアワード2012 「入選」
ピクトリコフォトコンテスト2011 「三菱製紙賞」
- 2014年
- 第39回JPS展 「入選」
ピクトリコフォトコンテスト2013-2014 「モノクロ賞」
- 2015年
- 第40回JPS展 「入選」
APAアワード2016 「入選」
個展
- 2009年
- 「…の、あと」 キヤノンギャラリー銀座
- 2013年
- 「andante」 キヤノンギャラリー仙台
- 2013年
- 「andante」 キチジョウジギャラリー
- 2016年
- 「トキノコエ」 キヤノンギャラリー銀座・名古屋・仙台
- 2017年
- 「pictorial “S”」 ソニーイメージングギャラリー
著書
- 2012年
- 写真集「andante」 文芸社
長谷康平 前回展示
ソニーイメージングギャラリーは、2019年7月に開館5周年を迎えます。5周年を記念して、これまでに作品展を開催した作家の中から新進の作家8名の作品をPart1、Part2に分けてそれぞれ1週間ずつ展示します。これからも続く未来へ向けて、写真を愛するたくさんの皆様と共に、これからの写真の進化や多様性を見つめる機会とさせていただきたいと考えています。