日本大学芸術学部写真学科 教員作品展 SKY IV 重松駿/秋元貴美子/穴吹有希
- 会期
- 2021年12月3日(金)~12月16日(木) 11:00~18:00
重松駿 作品解説
秋元貴美子 作品解説
穴吹有希 作品解説
重松 駿(しげまつ しゅん) プロフィール
1993年、東京都生まれ。2015年日本大学芸術学部写真学科卒業後、銀一株式会社に勤務。2016年に日本大学芸術学部写真学科助手、2019年より助教。大学では写真の基礎技術を中心に授業を行っている。自身の制作については技法や記録性が目的ではなく、制作行為そのものを通して、自らが見えていなかった世界の発見と想像を深めるためのものとして考えている。
「The Emerging Photography Artist 2014 -新進気鋭のアート写真家展-」グランプリ。「第39回JPS展」ヤングアイ部門 公益社団法人日本写真家協会会長賞。
日本写真芸術学会会員
主な写真展
- 「重松駿 One and Only」WACCAギャラリー(東京)2018年
- 「台北藝術攝影博覽會/Taipei Art Photo Show」Huashan 1914 Creative Park(台湾)2014年
- 「倉敷フォトミュラルf -個展部門-」倉敷アイビースクエア内アイビー学館(岡山)2014年
- 「The Emerging Photography Artist 2014 -新進気鋭のアート写真家展-」Instyle Photography Center(東京)2014年
秋元 貴美子 (あきもと きみこ) プロフィール
埼玉県生まれ。
日本大学芸術学部写真学科卒業後、大学院を経て、現在、同大学勤務。演習授業等で多くの学生の作品制作をサポートする。また、高校生の写真活動の研究をライフワークとし、全国の<高校写真>のサポーターとしても活動している。
生きることは旅という視点で、自然に還るために都市に活き、都市に生きるために自然に帰る旅を続け、都市風景などのスナップや心象を主とした自然風景などで写真展を開催している。特に国内では地水火風空の5つのエレメンツに着目した光景や異空間としての聖地を探し取材を続けている。また、マルタ共和国の魅力に惹かれ、「Malta三部作」を発表中。本展出品作は3部目になる。
公益社団法人 日本写真家協会会員,日本写真芸術学会理事,公益社団法人 日本写真協会会員
主な写真展
- 「Malta 時を刻む」(2021年/ピクトリコギャラリー 両国)
- 「Malta はちみつ色の街」(2021年/ピクトリコギャラリー表参道)
- 「Light’s Edge」(2018年/Nikon 新宿フォト・プロムナード)
- 「都市を生きるⅱ」(2016年/ポートレートギャラリー)
- 「化生する光景」(2012年/ポートレートギャラリー)
- 「凪 (NAGI)」(2003年/アーティストガーデン)
主な発表作品
- 「いつか空に還る」,「日々、この空の下で~都市に生きる」(2018年/日本大学芸術学部写真学科 教員作品展SKY(3人展)/ソニーイメージングギャラリー銀座)
- 「奇跡の輝石」(2019年/日本写真家協会JPS(2016年度)同期入会会員展「resonance」/オリンパスギャラリー東京)
- 「クララの街」(2018年/JPS2016 MEMBERS 写真展「My Works」/アイデムフォトギャラリーシリウス)
- 「想い」「ここから」(2016年/JPS2016年新入会員展「私の仕事」(共同)/アイデムフォトギャラリーシリウス)
- 「風ヲ」(2014年/Nikon 新宿フォト・プロムナード Df作品展)
他多数
穴吹有希 (あなぶき ゆうき) プロフィール
1984年香川県生まれ。
日本大学芸術学部写真学科卒業後、同大学写真学科助手を経て、現在、同学科准教授として勤務。写真の基礎を教えると同時に、画像処理やサイエンスフォトなどの授業では新たな発見をテーマに、学生の作品制作へつながる授業を展開している。日常の中の何気ない風景をモチーフにし、シフトレンズを使用したボケを利用した作品制作をライフワークとしている。近年は新たなデジタル写真の技術や技法を様々な美術分野の表現技法と融合した写真作品を制作している。
公益社団法人日本写真協会会員 日本写真芸術学会
主な写真展
- 2019年
- 「風のささやき」Sony Imaging Gallery(東京)
- 「穴吹有希作品展」Gallery KINGYO(東京)
- 2018年
- 「Botanical Portrait2018」Sony Imaging Gallery(東京)
- 「TOKYO SNOW 2」Sony Imaging Gallery(東京)
- 「時は春」Gallery KINGYO(東京)
- 2016年
- 「穴吹有希写真展」今井金箔ギャラリー(石川)
- 2015年
- 「TOKYO SNOW」Gallery KINGYO(東京)
- 2014年
- 「My scape」Gallery K(東京)
- 「記憶について」Gallery KINGYO(東京)
- 「ゆっくりとした流れの中で」Gallery K(東京)
- 「Water Garden」Gallery K(東京)
- 2013年
- 「Botanical Portrait」Gallery K(東京)
- 「Botanical Portrait」ART IMAGINE GALLERY(東京)
- 「INVISIBLE」315 ART CENTER(韓国)
- 2012年
- 「旅のはじまり」The Artcomplex Center of Tokyo(東京)
- 「穴吹有希写真展」Fine Art 21(香川)
- 2011年
- 「Accessibility」The Artcomplex Center of Tokyo(東京)
- 2010年
- 「Sakura」新宿プロムナードギャラリー(東京)
他多数
第4回目となる日本大学芸術学部写真学科専任教員による写真展「SKY Ⅳ」を開催させていただくことになりました。本年もまた作品発表を念頭におき写真制作をしている3名の作品を紹介いたします。
私ども教員は日本大学芸術学部写真学科を卒業した同窓生でもあり、先達の師より厳しく基礎技術を学び、それを踏まえた上で自己表現を展開すべく写真表現を研究し、実践しております。また多くの学生達と向き合い、語り合う中で、幅広い写真の世界に日々接し、試行錯誤をとおし多様な写真表現にトライしています。
しかしながら本職は教員であり、教育を中心としながらの制作となります。さらにCOVID-19、新型コロナウイルス感染症による自粛も続いたために、以前にもまして撮影活動には制限がありました。今回は、遠出はせず許される範囲での新作、および以前に撮りためた作品の発表となりました。
秋元貴美子は、SKYへは3年ぶり2度目の登場です。今年はマルタ共和国で撮影した作品を2月、10月と個展で発表し、今回は3回目となり「Malta三部作」の最後を飾る展示となります。生きることは旅と考え、都市空間と自然空間を行き来するスタイルで制作を継続しています。マルタにおいても都市に生きる現代の人々のスナップから、古代の人々を感じさせる巨石文化の遺構、マルタの大自然など多様な面からアプローチしております。今回は「Malta 名もなき風景」ということで、どこにでもあるような、でも知る人にはマルタと思うような風景を展示いたします。
穴吹有希は、2年ぶり3度目の登場です。今回はコロナ禍で出かけられない状況のなか自宅で何日もかけて撮りおろしたという膨大な花火の写真から選んだ100点を越える作品を壁いっぱいに展示いたします。被写体は花火ですが、それは神経細胞、ニューロンを思わせ、電気信号が送られている様子を表現しています。その信号は人間の思考、想いを伝えています。その想いは個人を超えて、家族、友人、遠くにいる見知らぬ人々、未来に生きる人々への思いを表現した壁全体が一つの壮大な作品なのです。
重松駿は、初の登場です。以前は国内や世界へと出かけて撮影していましたがコロナ禍で遠出ができない状況で、行動が許される範囲で制作をした2作品の発表です。「Breath」(4x5で撮影)は、重松の発見した身近な森です。写真の視覚により森を作り上げています。それが何であるか想像しつつ森の息吹を感じてください。「Dialogue」(6x7で撮影)は、しめ縄を想起させる絡み合う腕です。しめ縄はからみ合う蛇の交尾を象ったとも言われていることから、自分は何を知っているのか、知らないから学ばねばならない…と自問、自省します。両作品はともに被写体を通した重松の思考であり、世界観の発見であり、現実を超えたイマジネーションなのです。
コロナ禍という状況のなかで三者三様の作品制作スタイルです。重松はフィルムでの撮影ですが、プリントは3人ともデジタル出力です。最終仕上げにまでこだわり自らプリントしたオリジナル作品です。額装から展示方法まで合わせて3人の表現世界をご高覧ください。彼らの表現の広さと深さを感じて頂ければ幸いでございます。
末筆となりましたが、会場にお運びいただいた皆様、そしてこのような機会を作っていただいたソニーイメージングギャラリー関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
日本大学芸術学部写真学科
主任・教授 西垣仁美