7 years in 上海 ”質感の王国”
- 会期
- 2022年3月18日(金)~3月31日(木) 11:00~18:00
【事前予約制・人数限定】ギャラリートーク開催のお知らせ
閉館後に、事前予約制の人数限定にて本田晋一さんによるギャラリートークを開催します。ゲストに写真評論家の飯沢耕太郎さんをお招きします。
テーマ:「海外でフォトグラファーとして生活する」大学を1年でやめて、アシスタントは1年半で嫌になり、英語もできないのに行った海外でいきなりフォトグラファーになった。20年間にわたってシンガポール、ニューヨーク、上海に住み、撮影で食べてきた経験から、それぞれの都市の魅力、住みやすさ、仕事があるか、などについて話します。
- 開催日時
- 2022年3月26日(土) 18:30~19:30 ※閉館(18:00)後
- 開催場所
- ソニーイメージングギャラリー 銀座 (銀座プレイス6階)
- 事前予約
- オンライン予約による先着受付順(12名)です。
お申込受付開始は 2022年3月11日(金)11:00となります。受付開始日時以降に、下記よりお申込ください。
https://shinichihonda0326.peatix.com
感染状況等により、オンライン開催への変更や、内容の一部を変更または中止とさせていただく場合がございます。最新の情報を本ウェブサイトまたはTwitterにてご確認の上、ご来館ください。
※予約受付は、 Peatix Japan株式会社のサービスを使用します。そのため、外部サイトPeatixのウェブページに遷移します。
Peatix登録時の個人情報の取り扱いに関しましては、 Peatix 個人情報保護方針ページをご参照ください。
- お客様ご自身による来館前の検温、マスク着用、フィジカルディスタンスの確保のご協力をお願い致します。飛沫飛散防止などの感染予防対策を実施の上開催します。予防対策へのお願いをご確認の上ご来館ください。
- 参加無料です。受付はPeatixでご自身の分のみ可能です。複数名分の予約や、電話での受付、ギャラリーへの直接の申し込みはできません。
- 定員に達し次第予約の受付は終了となり、キャンセル待ちは行いません。また、予約のないお客様はご参加いただけませんので、予めご了承ください。
- 18:00 閉館時は、ギャラリートークにご参加予定のお客様も含めていったんご退出いただき、準備が整い次第受付を開始します。その際、Peatixでのお申込みを確認できるもの (スマートフォン等の画面、プリント等)をご提示ください。お時間に余裕をもってご到着ください。尚、19時以降はエスカレーターをご利用いただけませんのでご注意ください。
- トーク中はオンライン配信および記録のため、動画撮影を行います。
- フィジカルディスタンスを確保して配置した椅子に、着席にてご観覧いただきます。お客様による動画撮影および音声録音はお控えください。尚、写真撮影は着席したまま、他のお客様の妨げとならない範囲で可能です。
- トークが終了次第閉館となりますので、速やかにご退出ください。トーク終了後には展示をご鑑賞いただく時間がありませんので、事前または別の日にご鑑賞くださいますようお願いします。
上海に7年間住んだ。最初は1年ほどで東京に戻るつもりだったが、街が面白すぎて長居をしてしまった。シンガポール6年、ニューヨーク5年と海外で暮らすことはあったが、上海にこんなに長く住むとは思わなかった。 上海の何にそんなに惹かれたのかと言うと、租界時代から続く西洋と東洋が積み重なり混じり合った歴史と、そこから立ち現れる豊穣な質感…だろうか。とにかく人も街も「濃ゆい」のだ。80年代までの中国の「とにかく壊れるまで使うべし。メインテナンス…何それ?」という図太い精神のおかげで、1910~30年代の美しいネオクラシックやアール・デコの館が、中途半端なリノベーションをされずにオリジナルな形で残っている。テープで補強している割れ窓をよく見たら30年代の波打っているガラスだったり、分厚い100年分のホコリの下からオリジナルの壁面が顔を出したりする。
今や「人民」の生活の垢にまみれて薄汚れてはいるが、かつては阿片がもたらす富で世界の頂点にあった魔都の豪奢な館やビルディング。傾城の美女が無残に年老いて腹わたまで見せながら、なお蠱惑的な残り香を放つような凄惨な美しさを感じる。そして何より、今、購入すれば20億円を超えるような文化財クラスの館に、全く普通の庶民が安い家賃でノホホンと気楽に暮らしている。これは羨ましい!
清朝末期から変わらないこれらの風景も急激な発展でどんどん失われている。一軒ではなく一区画丸ごと消え去る事も多い。上海という特別な街のイメージを残すために7年間で5万枚撮影、住んでいる間は毎日 SNSで日常を記録した。これらの写真群の混沌の中から物語や道筋を見出して、少しずつネット上でアーカイブを作っている。見るのに何時間もかかるほどの大量の写真を蓄積したら、ネット上で失われた街を散歩できる様になると思う。その仮想の街造りこそが私の目的である。