栃木県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。 文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。「イスタンブールの男」で第2回東京国際写真ビエンナーレ入選、「路上の芸人たち」で第16回日本雑誌写真記者会賞受賞。近著に旅と写真の楽しみ方を綴った「トルタビ~旅して撮って恋をして♫~」や柳行李職人を撮り続けた写真集「柳行李」など。料理本や暮らしに関する撮影書籍も多数。旅好き、ネコ好き、チョコレート好き。公益社団法人日本写真家協会 常務理事
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私は、「写真家は、常に写真を撮り続けること」と思っている。
だから、過去に発表し忘れた作品は私の暗部として、
ネガケースの奥底に葬ってきた。
しかし、敢えてそこから掘り起こした作品を発表する。
2002年、仕事に忙殺されていた私は、約1ヶ月間、欧州へ1人旅に出た。
私のことを誰でも知らない場所へ、身を投じてみたかったのだ。
出会った人に声をかけ、撮影させてもらい、
時に家に招かれて食事をご馳走になったり、時に家に泊まらせてもらったりした。
そして夜は街を徘徊し、人のいない場所を撮り歩いた。
今思えば、女一人、無謀なことをしてきたと思う。
まだ若く、悲しいほど自由だった。
これらの作品は、「I was there.」
「私がそこにいた」という事実。
ただそれだけである。
ライカM6