九州産業大学大学院 芸術研究科 写真・映像領域 作品展「On the road」(2021年開催)
1996年生まれ。中国出身、現在福岡在住。社会風景や消費主義に焦点を当てた作品を制作している。ジャーナリズムの学部在学中、ニュー・トポグラフィックスへの持続的な興味から徐々にアートの道に進んだ。2020年、九州産業大学大学院に入学し、MFAを取得した。 2020年から現在に至るまで、李は九州地方の社会風景や文化を軸に、「循環」と「重複」をキーワードに作品を制作しており、「Our work is never over」や「Monument Road」という作品を制作した。彼の作品は、イメージとテキストを用いて架空のコンテンツを構築することが多く、主にフォトブックの形で作品を制作することを楽しんでおり、さらなるフォトブック制作の可能性を常に試みている。
- 2023年
- Hangzhou Artisan Photobooks Biennale Shortlist
- 2022年
- 第二回ふげん社写真賞 ノミネイト
Imagingless Dummy Photobook Awards Shortlist
「Imageless Dummy Photobook Awards Exhibition」
ICICLE SPACE、上海
- 2022年
- 「Book's Theatre」 馬良工作室、上海
- 2021年
- 九州産業大学大学院 芸術研究科 写真・映像領域 作品展
「On the road」ソニーイメージングギャラリー 、東京
- 2019年
- 「島展」 福岡アジア美術館、福岡
「vision」 福岡市美術館、福岡
磯の上に立つと、海は満ち引きを繰り返し、周囲の岩場は徐々に水没していく。
よくこの浜に来たが、丘の中腹から海が鳴り、霞んだ夕日が息苦しさを癒してくれるようだった。海岸沿いには、海、砂、松の自然景観がチェスの駒のように点綴している。人工物で区切られた、「孤島」のような場所だ。
午後の太陽が海に反射して、水面がまぶしくなるような、そんな「孤島」を訪れながら海岸線をさまよう感覚に、私は次第に夢中になった。日没まで歩いたが、深みに包まれた遠くの丘には到底辿り着けない。
海辺に住む人はたぶん幸せだと思うが、私にとっては自然を見ることが喜びだ。古代から今日に至るまで、この地の砂丘は潮風に吹かれて後退し、古人の遺跡は海に飲み込まれたかもしれない。数千年前、私と同じように同様の磯を徘徊し海を見つめる人はいたのだろうか。
磯の上に立つと、水は引かず、水平線に揺らめく光があるだけだ。