Grandma Comes Back
- 会期
- 2023年12月8日(金)~12月25日(月) 11:00~19:00
【事前予約制・人数限定】ギャラリートーク開催のお知らせ(参加無料)
※予約申込は当ギャラリーでは行っていません。
<申込はこちら>
電話 : 090-5781-5319
メールでの申し込みも可能です。フォトレツさんのInstagramでご確認ください。
https://www.instagram.com/p/C0UDlCyyNrW/
12/8(金)の閉館後に事前予約制・人数限定にてフォトレツさんとヴィヴィアン佐藤さんによるギャラリートークを開催します。
- 開催日時
- 2023年12月8日(金) 19:20~20:00
ギャラリートークは終了しました - 開催場所
- ソニーイメージングギャラリー 銀座 (銀座プレイス6階)
エレベーターで6階までお越しください。
- ※お客様ご自身により来館前の検温を行うと共に、体調が悪い場合は参加をお控えいただきますようご協力をお願い致します。
- ※定員に達し次第予約の受付は終了となり、キャンセル待ちは行いません。また、予約のないお客様はご参加いただけませんので、予めご了承ください。
- ※閉館時は、ギャラリートークにご参加予定のお客様も含めていったんギャラリーから外に退出いただき、準備が整い次第受付を開始します。
- ※トーク中は、動画撮影を行うことがあります。
- ※トークが終了次第閉館となりますので、速やかにご退出ください。トーク終了後には展示をご鑑賞いただく時間がありませんので、事前または別の日にご鑑賞くださいますようお願いします。
- ※お申込後ご都合が悪くなってしまった場合は必ず申込電話番号かメールアドレスへキャンセルのご連絡をお願いいたします。
<ヴィヴィアン佐藤さん>
アーティスト、非建築家、美術家、映画批評家、イラストレーター、文筆家、擂り鉢地形研究、尾道観光大志、青森県七戸市キッズDQ化プロジェクト 他
芸術全般(映画・音楽・美術・建築など)の造詣が深く、ジャンルを横断して独自の見解で分析。自身もアーティストとして活動中。
また江戸時代の歴史にも詳しく才能は多岐に渡る。個展やヘッドドレスのワークショップを開催中。青森の歴史や文化にも関心が強い。
<https://twitter.com/viviennesato>
本展は2つのパートから構成される展覧会です。
SideA 「Grandma Comes Back」
ここ2年ほど盲目のイタコ「中村タケ」さんの写真を撮っている。イタコの仕事は祈祷、占い、祓いなど多岐にわたるが大半の方は「口寄せ」を求めて訪れる。亡くなった人の魂をイタコ自身に憑依させ、死者と生者が交流を仲介する「口寄せ」。「胸のつかえが下りた、懐かしい、心が温かくなった」、「口寄せ」で故人と交流した人達が心軽く、笑顔で帰っていく様を撮影中に何度も目の当たりにした。
僕の祖母は2016年9月に亡くなり、同12月に第一子となる娘が生まれた。祖母は曾孫の顔も父親になった僕のことも知る由もない。せめて報告だけでもしたい、そんな思いから僕自身もタケさんに「口寄せ」を依頼した。彼岸から此岸へ、タケさんが探してきてくれた祖母。僅かな時間での交流だったが、そこで表出する感情の変化、浮かび上がる記憶、齎される様々な事象。
「Grandma Comes Back」は、言葉では説明が難しい「口寄せ」の世界観、イメージを視覚的に表現した作品です。
SideB 「目の前の人」
タケさんの部屋はいつも暗い。それとは対照的に、タケさんは明るく朗らかによく笑う。お客さんを待つ間、イタコのこと、家族や仕事のこと、世間話など様々な話をした。2年ほど通っているが、通い始めてすぐに自分の中にあるイタコのイメージは180度変わった。
タケさんの家には悲しみや不安を抱えた人が日々やって来る。最近では外国人観光客が立ち寄ることも珍しくない。「ほにかー、ほにかー」と優しい南部弁で相槌をうち、「どうしたらいいか、神様仏様に聞いてみようかね」と数珠を握り祭壇に向かう。「一心、願い頼み奉る。守る力を下さい」。肩の荷がおり軽い足取りで帰途につく皆を送り出すと、タケさんはまた暗い部屋に戻っていく。
超自然的な要素を内包しながら、イタコは集落の「万相談所・カウンセラー」として機能し、タケさん自身も集落の「お母さん」的な存在として皆に慕われてきた。しかし、「イタコ」が情報メディアにオカルト調に取り上げられる度に、実像とは対照的なイメージが日本全国に定着していった。
突然神仏からの啓示があってイタコになった訳じゃない。イタコは、今と状況が異なる時代に生まれた視覚障がい者の数少ない職業選択の一つで、自立して生きていく為の手段だった。内外から向けられる対照的な視線、その間にイタコ達の悲哀が隠れているように僕は思う。
ここにイタコを生業とする「中村タケ」という1人の女性がいる。75年以上、「人」に寄り添い、尽くしてきた人間の姿が写っている。イメージの外にある姿を真っすぐに捉え、思いを馳せて欲しい。