映像作品タイトル:
She Knows
意中の女性とコミュニケーションをとる時、私は自分自身という男性を飾り立て偽る。
すっぴんの自分を見せるのが、そしてその先に起こりうる彼女からの拒絶が怖くて。
女の勘はいつも正しい。
本能的に、残酷に、眼前の男性の薄っぺらなメッキを静かに剥がしてゆく。
見透かされ、さらに偽った結果、私は彼女から跳ね返ってくる光を上手く受容できなくなり、心臓に侵入され、遺伝子
まで暴かれる。
彼女たちはいつだって心の奥に隠したミドリに気付いて欲しいと願っていることだろう。
心揺さぶられた感覚を誰かに共感してほしい
何度も繰り返し蘇ってくる想いを誰かにわかってほしい
湧き上がる衝動を表現せずにいられない
やってみたいと感じたら自然に手が動いた
誰もやったことがないことをやってみたい
・・・・・
たくさんの表現のきっかけが私たちに訪れます。そんな時にすぐに私たちの目となり筆を握る手となってくれるカメラ、ビデオカメラ、スマートフォン。でも撮れた写真や動画がうまく自分の想いを表現でききれていないと感じたら?そうしたらひたすらまた撮ってみることを繰り返すしかないのでしょうか?
4回目の開催を迎える今回の映像作品展では、何枚もの写真を動画に仕上げたり、実写動画を絵画のように生まれ変わらせたり、それら以外にも様々な技法を巧みに混ぜ合わせたり、境界線を超えて求めるイメージを探求し続けることで生まれた作品を集めてお届けします。表現技法はクリエイターからクリエイターに受け継がれ、新たな使いこなしやアイデアが加えられ、進化を続けていきます。人をまたぎ、進化はきっと終わることなく続いていくでしょう。
表現技法がきっかけとなった作品のあつまりではありますが、暗い部屋でスクリーンに向き合っている間だけは手段には意識を向けずに、ぜひそこに展開される世界に身を委ねていただければと願います。今日は2024年の表現の世界を共に過ごしましょう。
最後になりましたが、若いクリエイターたちに一言でもかまいませんので暖かい励ましの言葉をかけてやってくださいましたら大変ありがたく存じます。ギャラリーより心からお願い申し上げます。