張 景翔 作品展
遥かな川
- 会期
- 2024年10月18日(金)~10月31日(木) 11:00~19:00
張 景翔(ちょう けいしょう)プロフィール
中国 河南省出身
東京都在住
- 2020年
- 上海交通大学 卒業
- 2023年
- 『T3 STUDENT PROJECT』公開プレゼンテーションに選出
- 2024年
- 多摩美術大学 大学院写真研究室 卒業
個展
- 「the moment we met」上海, 2023
- 「the chapter: wind is blowing」成都, 2024
- 「小城之春」鄭州, 2024
- 「Letter without a name」上海, 2024
私の故郷は中国の中原地方にある小さな町である。
ほとんどの人はその町を知らず、そこでは丘にも小川にも名前がない。
三年が経ち、久々に故郷に戻ってきた。都市の建設により、至る所に新しい高層ビルや建築現場などがたくさん見える。
城下町に立って遠く見渡すと、周りの高層ビルが波のように、私の故郷の思い出をじりじりと飲み込んでいた。 人々は渡り鳥のように、変化する環境の中で、新たな巣を求めている。
昔、祖母はその町の西に住んで、30年間を過ごした。
2015 年、新しい住宅地を開発するために、この地域の建物が全て取り壊されていた。
しかし、 8 年が経って、ここはまるで忘れ去られた場所のようで、ずっと廃墟のままである。
お年寄りは住みなれた土地から離れ難いのに、祖母は仕方なく3回引っ越した。
故郷に戻ってきた私は、この町に見慣れないものを感じたが、今なお無意識に記憶の中で馴染みのある人々や物を探していた。
そして、別れの気持ちを抱きながら、写真を撮って記録しようとした。
故郷とは、いったい何だろうか。
もし慣れ親しんだ風景が消え去ったら、故郷はまだ存在するだろうか。
それとも、記憶の中で名のない小川のように消え去っても、私が到達できない遥か彼方までそのまま流れていくだろうか。