栃木県出身。
高校生の時、父親の二眼レフを譲り受けて写真を撮り始める。
大学卒業後写真を学び、プロラボ、新聞社に勤務後フリー。
以来、旅や身辺の情景をテーマに、雑誌・個展等で作品を発表している。
写真集に『キチムは夜に飛ぶ』ふげん社刊 2018年
【個展】
- 1998年
- 「愛すべきものたち」 オランダ館(栃木)
- 2005年
- 「ニャーとシャー」 nomado(根津)、nido(谷中)
- 2007年
- 「フシーチコナイ・フバヴォ」 スライド上映会 café la famile(結城)、タフドア(宇都宮)、nido(谷中)
- 2017年
- 「キチムは夜に飛ぶ」 ギャラリーニエプス(四谷三丁目)
- 2018年
- 「キチムは夜に飛ぶ」 出版記念展 ふげん社ギャラリー(築地)
【主なグループ展】
- 2009年
- 「LOVE CAT展」 PIPPO(浅草)
- 2019年
- 「Monochrome Collection of Fugensha」 ふげん社ギャラリー(築地)
「NEKO project」 IBASHO Gallery(アントワープ /ベルギー)
- 2020年
- 「Neko : the cat in Japanese art」 日本博物館シーボルトハウス(ライデン/オランダ)
「コロナの春」 ふげん社ギャラリー(目黒)
- 2022年
- 「NEKO project 」 Rossana Orlandi gallery(ミラノ/イタリア)
Villa Bertelli(Forte dei Marmi /イタリア)
- 2023年
- 「わたしのともだち ~ 写真家と愛しい存在の物語 ~ Part3」
ソニーイメージングギャラリー(銀座)
【作品掲載出版物】
- 『Neko Project-Japanese Photographer』Sophie CAVALIERO Iki Edition フランス(参加作品)
- 『C’est quoi pour vous la photographie?”』Chibi International フランス(参加作品)
日々の暮らしの中、ふとした目の喜びを感じるとき、驚いたとき、愛おしいとき、写真を撮ってきた。
次々に畳み掛けてくる雑事に、私の記憶が消えてしまわないように。
撮り溜めた写真を眺めていると、水が映り込んだイメージが目につく。
旅先の海、公園の池や街のお堀、豪雨も近年では日常の一部になったからだろうか。
展覧会をお知らせするポストカードに選んだ海と長女の写真を眺めていた時、ふと、かげろうの話を思い出した。
かげろうという虫は、幼虫の間は数年間、清澄な水の中で暮らすが、
ようやく成虫になって、羽化してから交尾・産卵を終えて死ぬまで僅か数時間の寿命だという。
Ephemeropteraという学名も、「一日」と「翅(はね)」という意味のラテン語の造語らしい。
これまで見た数々の情景は、脳裏に消えていった。
17年連れ添った猫は天寿を全うし、子どもたちも今は幼年の姿をしていない。
私が残すことができたものは、ゆらゆらとした無数のかげろうのようなものではなかったか。