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日本大学芸術学部写真学科 教員作品展 SKY VII GOTO AKI/鈴木 麻弓/田中 里実

 第7回目となる日本大学芸術学部写真学科専任教員による写真展「SKY VII」を開催させていただくことになりました。
 私ども教員は、先達の師より厳しく基礎技術を学び、それを踏まえた上で自己表現を展開すべく写真表現を研究し、実践しております。また多くの学生達と向き合い、語り合う中で、幅広い写真の世界に日々接し、試行錯誤をとおし多様な写真表現にトライしています。
 写真学科の制作系教員3名の作品を紹介いたします。教育を中心としながらの制作ですが、作品発表を念頭におき写真制作を継続しております。

 GOTO AKIは、今年度から写真学科の専任教員になりました。2020年には日本写真協会新人賞を受賞している写真家です。近年は日本各地の自然に相対し、色彩や造形の調和と明暗の差異による視覚効果を探求した「terra」シリーズを継続しており、新たな展開に至っています。人間の思考を超えた地球本来の姿を感知し、地表から海中までを同等の視線で捉え、写真で表現しています。地球(terra)全体をひとつの生き物、流動体と感じさせる作品です。

 田中 里実は、4年ぶり4回目の登場です。古典技法や銀塩写真を研究し、制作しています。加えて写真史の研究も行っています。今回は銀塩すなわちフィルムを使用し、4x5inの大型カメラで撮影しております。日本各地の巨木や美しい1本の木と向き合うシリーズで3年前から撮影を開始し継続中であり、今回初出の未発表作品です。平野の中に立ち上がる1本の木、神が宿っていると言われる神木、大自然の中から都会まで様々な場所で生きる木々に自然に回帰する指標としての姿を見ています。

 鈴木 麻弓は、2年ぶり2回目の登場です。京都グラフィー2022で現代日本女性写真家の1人に選ばれ、今年はアルル写真フェスティバルで2つの写真展を開催しました。今回の展示は3.11以降、ライフワークにしている故郷女川を被写体とした作品であり、新作を含む写真で構成しています。鈴木は故郷とは何か? 故郷と自己との関係、実家である写真館の歴史、祖父や父による写真と現在の町の変化を通して失われたものの重み、記憶に向き合い、過去と現在をつなぎ、女川の物語を未来へと語り継ぎます。

 教育という主軸の仕事をこなしながら地道に創作活動を継続している3人の最終仕上げにまでこだわったオリジナルプリントです。展示方法までを含めて、3人の表現世界をご高覧ください。彼らの表現の広さと深さを感じて頂ければ幸いでございます。

日本大学芸術学部写真学科
主任・教授 西垣仁美

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