2023年06月29日
ソニー株式会社は、ソニーグループが掲げる2050年までに環境負荷ゼロを目指す環境計画「Road to Zero」に基づき、2021年度から2025年度までの環境中期目標「Green Management (グリーンマネジメント) 2025」において掲げている目標、「製品1台あたりのプラスチック包装材使用量10%削減」「製品(包装材を除く)1台あたりのバージンプラスチック使用量 10%削減」に向けた取り組みを行っています。
2023年6月12日に発売された27型空間再現ディスプレイ『ELF-SR2』の個装パッケージでは、発泡スチロールを使わない梱包を実現。段ボールクッションとパルプモールドの緩衝材を採用し、包装材におけるバージンプラスチック使用量を既存製品のものから60%削減しました※。
本製品の梱包の重要なポイントである材料の選定では、パネル面にはパネル割れや振動による傷を防止する為に段ボールを選定し、背面には折り作業が不要なパルプモールドを採用。段ボールは最小部品数に留め、尚且つ折り形状を複雑にしないよう、段ボールを重ねた積層段ボールを使用するなどして強度補強を実装しました。段ボールとパルプモールドのそれぞれの特性を組み合わせることで、しっかりと強度を保った紙製緩衝材が実現しました。
また、紙系緩衝材にしたことで梱包サイズが大きくなり輸送効率が悪化することのないよう、パルプモールドの一部に穴をあけスタンドを収納しました。また、ユーザーによる再梱包作業を想定し、製品の出し入れやアクセサリーの取り出しやすさにも配慮するなど、収納性と見た目の美しさにも工夫をしています。
今後は、緩衝材周りのプラスチック削減の実績を活かし、更なるプラスチック削減を進めていきたいと考えています。
ディスプレイ製品は重量があり、ガラス等の保護も必要なことから、包装材としては性能や経済性で優れる発泡スチロールの緩衝材を使用することが一般的となっています。加えて昨今のディスプレイ製品は年々大型化および薄型化が進んでおり、包装材への要求レベルが高くなっています。包装材にとって重要な要素である耐久性と強度を保ちつつ、発泡スチロールから環境に配慮した紙系緩衝材に移行することが今回の一番のチャレンジでしたが、機構設計チームと連携しクオリティを満たす包装が実現しました。
また、包装材は「商品をお客様のお手元に安全にお届けするもの」だけでなく、「ソニーの地球環境への想いをお客様にお伝えするコミュニケーションツール」という役割を果たすべく、包装設計チームとして今後も他商品への環境配慮した包装材の横展開、更に大きなディスプレイ商品への展開に挑戦し続けていきます。
今回の紙系緩衝材を採用した『ELF-SR2』もまた、環境に配慮したソニーが独自開発した難燃性再生プラスチックSORPLAS™をリアカバー、サイドパネル(左右の三角形部品)、ボトムステージ(底面の部品)に採用し、バージンプラスチックの使用を削減しています。
SORPLAS™は市場から回収された使用済みの水ボトルや、工場や市場から排出された廃ディスク、そしてソニーが独自開発した難燃剤などを原料に作られており、今やソニーの製品に限らず幅広い製品に採用されています。
環境への配慮のみならずデザインや性能面などにおいても妥協することなく再生プラスチックを採用するにあたり、ソニーはさまざまな知見を培ってきており、本製品も成形条件や形状の工夫により採用が実現しました。今後も環境配慮型素材を積極的に導入し、その側面からも多くのクリエイター、そしてユーザーの皆様にお選びいただける製品を目指していきます。