2023年08月29日
ソニーグループは「For the Next Generation」のスローガンのもと、製品・コンテンツ、テクノロジー、社員の力、パートナーシップを活用し、世界各地で社会貢献活動を展開しています。
ソニー株式会社(SEC)もグループの方針に則り、ソニーならではのテクノロジーやサービスで社会への貢献を目指し、子どもたちへの教育支援活動などを実施しています。その一環として2021年からは全国の高校生と高等専門学校生を対象に実施される科学技術の自由研究コンテストJSEC(ジェイセック Japan Science & Engineering Challenge)の支援を開始し、昨年の「JSEC2022(第20回高校生・高専生科学技術チャレンジ)」では協賛社としてソニー賞を贈呈しました。
ソニー賞選定にあたり、執行役員と11名の社員ボランティアで社内審査を実施。審査対象となる論文を読み込み、情熱や独創性に溢れるソニー賞にふさわしい作品の候補を洗い出しました。
数ある論文のなからからJSEC2022のソニー賞に選ばれた作品は文京学院大学女子高等学校の箕浦 祐璃さん、光吉 音葉さんによる「赤い紅の『見える緑』『見えない緑』『光る緑』〜墨を用いて紅の緑色光沢を生み出す伝統的な手法の解析〜」という、江戸時代に使用された「小町紅」と呼ばれる化粧品に着目した研究でした。金属光沢のメカニズムがいまだに解明されていない小町紅という神秘的なテーマの高校生による熱意に溢れる研究に、審査員を務めるエンジニア社員も多いに刺激を受けている様子でした。
ソニー賞を受賞した本研究は、世界中から高校生が集まる世界有数の科学コンテスト「リジェネロン国際学生科学技術フェア(Regeneron ISEF)2023」(2023年5月米国テキサス州ダラス開催)にも出場が決定し、栄えある優秀賞(材料科学部門4等賞)を受賞。また、ISEFで特に優秀な成績をおさめたとして8月には文部科学大臣表彰をも受賞されました。
社員ボランティアのシステム・ソフトウェア技術センターシステム技術第2部門基盤技術開発部中村 真備さん
高校生が、江戸時代の墨と紅を用いた化粧法に興味を持ち、この手法を再現し、その不思議を解明するテーマでしたが、日本古来の口紅が緑の金属光沢を持つことは、実物を見るまでにわかに信じられないものでした。JSEC時点の研究内容には粗削りなところがありましたが、この不思議な現象を再現できたことに感激し、みんなに広く知ってもらいたい、という彼女らの強い気持ちが、結果として大成功につながったと思います。
サポートにあたり、空想でアドバイスできるほど簡単な内容ではなく、私も実際に実験を繰り返すことで、想定外の驚くべき新発見がたくさんありました。高校生の支援のはずが、自分としても大変有意義な時間であり、このような支援を今後も大切にしていきたいと思います。
SECは今後も製品・サービス・技術を通じて、次世代である子どもたちへの教育支援活動を継続していきたいと考えています。