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マシンガンズ滝沢さんと考えるゴミ問題。「ゴミはどこからゴミなの?」

2024年08月16日

ソニーではサステナビリティを経営の基盤と捉え、環境、アクセシビリティ、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を重要3領域と定めています。自社のサステナビリティの認識を深めながら自分ごと化する為の取り組みとして、年に数回社員に向けた講演会やワークショップを開催しています。

この活動の一環として、2023年はゴミ清掃芸人のマシンガンズ滝沢さんに「マシンガンズ滝沢と考えるゴミ問題」というテーマで、社員向けにご講演いただきました。滝沢さんは芸人活動の傍ら、お子様が生まれて生活費を稼ぐために始めたゴミ清掃員を11年続けてこられた中で、ゴミ問題に直面し、感じたこと知ってほしいことを多くの方に伝える活動をされています。

生活の中でも、事業の中でもゴミは必ず出ます。資源を使うこと、捨てることは環境の様々な課題にも繋がっており、この講演を通じて環境に対する意識を高めながら、後半は会社のサステナビリティを考えるカードゲームを実施しました。

マシンガンズ滝沢さんよりご挨拶

滝沢さんご講演(一部抜粋)

環境問題は日常にある

皆さんは、「集積所」と「ゴミ箱」の違いをご存じでしょうか。
集積所は自治体が指定したゴミを集める場所で、誰でも捨ててよいゴミ箱とは違います。「置いておけば誰かが何とかしてくれる」という気持ちがあるかもしれませんが、ゴミを出したら終わりではなく、そのゴミを回収している人たちのこと、出されたゴミがどうなるのかを考えてほしいです。環境問題は自分とは遠くのところで起こっている問題ではなく、皆さんの日常にあることを認識してほしいと思います。

ごみの分別についてご説明される滝沢さん

集積所をきれいに使うこと

古紙の出し方についてもボール、雑誌、新聞紙などは、それぞれリサイクルされることになりますが、それを混ぜて出してしまうと、後ほど清掃員が分別することになります。例えばそういった分別されていない集積所が300ヶ所あると大変な量になってしまうので、ぜひゴミは分別して出してほしいと思います。分別することはもちろん環境や清掃員に優しいだけでなく、地域の美しさや治安を守ることにも繋がっていると感じます。

ゴミは伝染する。自分のゴミ出しは人に影響を与えている。

例えば、ペットボトルは、ラベルとキャップを剝がして出します。ラベルとキャップを剥がさない人がいると、他の人もそれでいいのだと思い、皆が剥がさなくなってしまいます。僕が以前住んでいた地域では、それまで誰もラベルとキャップを剥がしていませんでした。ところが、僕がラベルとキャップを剥がして出していると、それが少しずつ伝染して、いつの間にか地域の皆が剥がしてくれるようになった経験があります。

分ければ資源、混ぜればゴミ

ゴミの分別は浸透してきているものの可燃ゴミの中には、再利用できるものがまだまだたくさん捨てられています。可燃ゴミとして捨てられているゴミのうち、再利用できる紙類は28%も占めています。古紙は燃やしてしまえば灰になりゴミになってしまいますが、リサイクルに出せば再生紙として使えるのです。

最終処分場の寿命はあと23.5年

タッカー車(ゴミ収集車)は1台で2トンくらいのゴミが入ります。1日に1台が6回往復することもあります。年末年始は清掃工場のバンカ(焼却炉にゴミを運ぶ前の一時的な回収場所)が溢れるほどいっぱいになってしまい、タッカー車がゴミを捨てる為に2時間半も待つことがあります。ゴミは燃やされて灰となり、最終処分場で埋め立てられていますが、日本の最終処分場の寿命はあと23.5年しかありません。最終処分場には限りがあるのです。

3Rにもう一つ足してRespectをご説明される滝沢さん

Respectするということ

Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)
私はこの3Rにひとつ足して、Respect(リスペクト)を大事にしています。リスペクトする気持ちがあれば、ゴミ問題は大概解決するのではないかと思っています。顔の見えにくい社会だけれど、ゴミは出したら終わりではなく、その先にどういう人が関わっているか、ゴミがどうなるかを想像し、思いやる心が大切です。
では、ゴミはどこからゴミなのでしょうか。例えば、ゴミ集積所に置いてあった食べかけの焼きそば。まだ食べられますが、それはゴミでしょうか?それは人がゴミと思った瞬間にゴミになります。どの瞬間でゴミになるかは、一人一人の心に答えがあるのでしょう。それを意識すると、ゴミに対する考え方も変わってくるのではと思っています。

サステナビリティカードゲーム

講演会の後は、滝沢さんも交えて、サステナビリティカードを実施しました。プレーヤーはチームに分かれ、それぞれ設計、人事、財務等の部署として与えられた資産(人材・資金・技術力)を上手く活用し、ソニーのエンターテイメント・テクノロジー&サービス事業分野のマテリアリティである環境・アクセシビリティ・DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)に沿った20の課題について、チームメンバーと協力して課題をクリアしていきます。サステナビリティについて改めて自分に出来ることをじっくり考える機会となり、どこのチームも一丸となって取り組むことができました。

真剣にカードを選ぶ参加者
作戦を立てる為、立って机を囲む参加者

ソニーは今後も企業の責任と経営の基盤であるサステナビリティについて社員の自分ごと化に向けた推進活動に積極的に取り組んでいきます。

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